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2017年12月28日木曜日

心温まる年末の挨拶状

建築デザイン事務所の担当者から、年末の挨拶状をいただく。スタッフを褒めていただく言葉に心が温まる。



パレットフィロソフィーに書いている言葉。「大家族主義で経営する」尊敬する稲盛さんの言葉です。社員の数が増えることで、だんだん難しくなっていると感じている。そんな中で頂いた暖かい言葉だから、素直に嬉しい。この建築事務所も同じような空気感があって、おつきあいしていても、細やかな心遣いを感じる。いつもありがたいなと思う。

自分たちが心込めて作ったケーキを他と比べて点数つけられて、どうのこうのいう人にはなんの感情も湧かないが、年に数回でもきて頂いて、こうして言葉をかけてくれる人を大切にするお菓子作り、店作り、さらに業者さんとのおつきあいも含まれる、全て「人への思い」から繋がっていくと思っている。その思いをパレットスタッフは、素直にお客様にも向けていると思っている。

だからと言ってパーフェクトでもない。あの店この店で、びっくりするようなミスをしてお客様にご迷惑をおかけしている。寛容なお客様からの一つ一つの言葉から学び成長させて頂いていると思う。ありがたいことで、つくづく店は、お客様の育てて頂いていると思う。

先の見えない時代にあって、これからのケーキ屋さんは?と、懸命に考えても明快な答えは出ない。今よりもステージをあげたいなら、いまやるべきことをきちんとやり切ること。やり切ることで実りある一年が見えてくる。そんなメッセージをいただいたように思う。

2017年12月25日月曜日

クリスマスケーキを食べたい

小さい時に、家族で「わぁ〜」と、歓声をあげてケーキを囲んだのはいつのことやら?仕事に追われて顔見ることも少なかった父が、仕事を早く片付けてケーキを買ってきたんだと思う。バターで作っていないバターケーキのクリスマスケーキ。いまだと、食べられないような味わいと思うが、その当時は、天国に登るような甘美な世界に浸っていた。




平日に家族が揃って食事することが難しい家庭が多いと聞く。そうした時代背景も踏まえ、ケーキの果たす役割は、今はより大きくなっていると思う。東北の大震災以降その傾向は強くなっているように感じます。家族の笑顔が揃う時間を持つ、そこにケーキは特別感があって欠かせないものだと思う。




作ることに追われながらも、この一つ一つのケーキを囲む笑顔を思うと、美味しいに全力を尽くしたいと思う。クリスマスケーキを食べたい気持ちより、作りたい気持ちが勝っている。当たり前のようだけど、ようやく、クリスマスケーキを作りながら、そんな気持ちに浸ることができるようになった。年齢というより、パレット全体が、スタッフ一人一人の努力でステージをあげたことで感じる心の余裕だと思う。今年の店全体の空気感や、各店の日報から感じる。

過去の経験から、自分が一杯一杯の時は、良いものを作るどころか、必死で周りも自分も見えていない。目の前のことで精一杯。そういう意味で対比すると、今年のパレットは、大きく成長したと思う。そして、もっとクオリティーの高いクリスマスケーキを提供できる店に成長していけると感じる。

美味しいお菓子は、テクニックやブランドで作られるのではない、作る人の思いが美味しいケーキを作る。生クリームの鮮度を保つために厨房の温度を下げる、必ず氷を当てて作業をする。当たり前に全スタッフが意識していること。0.1度まで見ているわけではないが、温度管理の徹底と作ってからの時間を短くすることで鮮度が決まる。そんなことはこだわりではない、声をあげていうものでもない、当たり前で、忙しい中でも笑顔で仕事をするスタッフのプライドと思いに支えられている。

(Backup) フォロワーすくなぁ〜

教えてる学生から「ブログ、見つけたで」と、嬉しそうにいう。その次に「フォロワーすくなぁ」と、笑う。自分の書いているブログのフォロワー数を気にしたことがなかったので「どこで見れるん」と、学生に聞いてしまうずれ方。さらにこの学生、グーグルで「前田省三」で検索をかけて、過去の写真やアップされていること読んで「頑張ってるやん」と、学生なりの誉め言葉をいただく。

時代は「インスタ映え」を競う時代にあって、ブログを好んで見ることは少ないと思う。ましてや不定期で気分が乗った時にアップする程度のブログを見るのは、パレットに営業をかけよう、もしくは、パレットに応募しようかな?なんて、思う人ぐらいだろう。

話は変わるが、私はテレビの番組よりCMが好きだ。同じ目線で新聞広告のキャッチコピーを見るのも好きだ。今好きなのは浅野忠信が中学生に褒めてもらうCMを何回見ても笑ってしまう。新聞では、パイロット万年筆のCMが好きだ。



たった一人のいいねlがあれば本当はいいのかもしれない。学生たちに伝えても、このニュアンスはわかってもらえない。「広く浅くがええねん」と、豪語?する学生もいる。多分、ずっと薄っぺらいんだろうなと思うが、その人が選び決める人生にかける言葉はない。広く浅くより、若くても一つのことを深く掘り下げた人の方が面白いし、可能性を感じる。言い方を変えれば、自己信頼感を深めた人と思う。

タレントのフォロワー数は人気を表すが、パティシェとして、経営者として、フォロワーを少し意識して書いていこうと思う。少しの圧を自分でかける。

2017年12月11日月曜日

三雲小学校で、ものづくり講習

ものづくりマイスターとして、今年も三雲小学校で「ものづくりの魅力」講座(出前授業)を担当した。単純に、洋菓子製造を知り、体験し、職人の技や知識に触れて、興味関心を培う。

身近にある材料と道具を使ってのプロの味を作ると言うのは、結構難しい。この日はプリンを蒸し器で作る。作業は、簡単なんだけど、全部が同じようには仕上がらない。火力の問題や、鍋の密閉度、その日の気温湿度などに影響を受ける。当たり前といえば当たり前なのだが、授業を進めながら、いつもヒヤヒヤしている。



そんな難しさもものづくりの面白さなんだけど、ものを作るためには、そのための経験や知識が必要。小学生にはちっと難しい話だが、プリンを蒸し器で蒸している間に、事前に準備したブリュレをカラメリゼしたものと、醤油をかけたものとを試食してもらった。反応は様々だけど、経験するまでは想像もできなかったことが、経験することで、その経験を自分の言葉で話せるようになる。こうしたプロセスそのものがものづくり、自己表現する力になって行く。ここが大切なんだ!

おかし作りというと、作り方を学べば一人前になれるようなことを思っている人がほとんどだが、作れる技術習得はもちろん必要だがプロでやっていく上では当たり前の話で、ちょっと器用であれば誰でもできるとまで言える。しかし、それは、お菓子を作る作業ができる人です。


パティシェとして大切なのは感性なんだけど、例えば、醤油のかかったブリュレの後に食べるカラメリゼしたブリュレの美味しさにどれだけ心が動いたか?心が動いていないと、自分で作ったブリュレで人の心を動かすことはできmないのです。そこが、プロとして作り方よりも大事。だから、毎日朝昼晩と食べるご飯を一生懸命ちゃんと食べる。ぼんやり食べていると、パティシェになれないんだ。

小学生たちの笑顔で「ありがとうございました」授業は終わった。いつもながら教える側が、学ぶ事が多いです。


2017年11月7日火曜日

「シェフの想い」と「お客さまの想い」を結びつけるヴァンドゥースに合格!

ワインには【ソムリエ】”Sommelier / 女性 Sommelière”、ホテルには【コンシェルジュ】“concierge”といった専門の職業が有るように、お菓子の販売には【ヴァンドゥーズ】 "Vendeuse"という職業があります。

 

ヴァンドゥーズはただのお菓子の "売り子・販売員” ではありません。高度で幅広い知識と専門の技能を持ち、おもてなしの心を基にお客さまに喜んでいただくことを何よりも大切に考え、お菓子をお客さまにお届けするプロフェッショナルのことをいいます。「シェフの想い」と「お客さまの想い」を結びつける大切な仕事です。




その資格を、パレットのスタッフ2名がチャレンジして合格した。とっても楽しそうに頂いたヴァンドゥースバッチをつけて写真におさまりました。勤務中はずっとつけているので、お声をかけていただければ喜ぶと思います。




パレットでは、自分の努力で付加価値を上げろということで、様々な資格にチャレンジを薦めています。お菓子作りが好きで入ってきたマネージャー二人に、業務命令で簿記3級、ビジネス会計試験に合格しろと講習会に送り出しています。技術習得でも菓子技能士1級、2級は、三年以上勤務の人は全員当たり前のように受けて合格している。販売士の資格を持っているパティシェもいます。




通常の勤務をしながらの受験なので、みんな大変だと思います。それでも、一歩前に踏み出す。パレットで働くこと=成長が重要と考えている。昨日の自分より、今日の自分が成長してると実感できれば、それが何にも変えがたい喜びである“甲斐”に繋がるからです。新たにヴァンドゥースになった二人も、合格を1つのきっかけとしてさらなる成長を続けて、後輩たちの憧れになって欲しいと思います。二人の頑張りに感謝です。




2017年11月6日月曜日

蓋を閉める、次の人のためにスリッパを揃える

誰でもわかるようにと、トイレの手洗いにテプラで貼っている。スタッフは、ほぼ急いでいる時以外は、冷静に習慣化されているように感じている。例外は、新入社員とお客様、職場体験の子達だ。今年、新入社員の子が、入社半年経っても、気がつかないのかできていないことに気がついた。


その子は、立ち仕事での足が痛いという理由で、その月で退職が決まっていた。それ以前の話なのだが、意図することが伝わらなかった。創業して31年。毎年、新入社員を迎え、一年以内の退職者は数人いるが、”足が痛い“という理由は、初めてで意外な理由だった。そんな理由で会社を退職するのは、なぜなんだろう?そんな人生でいいのだろうか?大学を出ているが実際の年齢は中学生程度なのか?尽きぬ疑問と、こうした人を採用した責任。そして、今後のことを憂う。

もう一人、今年採用した人で退職された人も“手が荒れる”と、日赤の先生の診断書を持ってきた。自分で荒れないように手袋をはめて洗い物をするなどの対応はしたの?という質問に、何もしていないと、素で答える。悪意がない、考えていない。親が言わせているのかなとも思う。いずれにせよ、「この仕事を続けたいので、ここで手をちゃんと治したいので、退職します」の言葉に返す言葉はなかった。

たまたまなのか、よくある話なのかもわからないが、いま目の前に突きつけられる現状への違和感はなんだろう?将来への憂いも含まれるが、事実だけに着目すれば、豊かな日本が産んだそもそもの話。「小善大悪ににたり」と、尊敬する稲盛さんが言っている。その場しのぎ、問題の先送りの結果だと思う。その子のためにという正しさを装う、悪質な責任逃れだと思う。その子の一生に影響して行く。

幸せな人生を生きる。という、シンプルに誰もが思うことの中に“働く”がある。経済的な側面だけで働くことを捉えている。プライベートと仕事を対立するように捉える話と同じだ。働き方改革で本当に必要なのは、こうした子達を社会に送り出す前に、働くことをちゃんと教える家庭での教育、考え方の転換が大事なんだと思う。そして、親の働き方にも及ぶ話だと思う。


2017年10月4日水曜日

祖母の心配

就職で家を出るときに、亡くなった祖母が心配してかけてくれた言葉「お前は、食い意地がはっているからな、卑しいことをするな。人に迷惑をかけるな」迷惑をかけない、卑しいことをしない。ぼんやりその言葉を受け取った。そして、社会に出た自分を支える言葉となった。経済的にも、人間的にも自立する。親に迷惑をかけない。誠実に人と接する。そんな当たり前の話だが、今もって私を支えてくれる祖母の言葉。














その後、パティシェになってつくづく思う、食への意地なんて生半可ものではない。明らかに、自分の中に食への執念を感じる。「どうせ食べるなら、おいしく」さらに「死ぬまでに食べられる回数は決まっているなら、一回でも多くおいしい食事をする」そんな思いをもって、日々の食事がある。祖母の作る手料理には、そんな思いがあった。


















パティシェの仕事も同じような感覚で「どうせ作るなら、自己最高を作る」そうしたがつがつした思いを、パレットフィロソフィーでの「日々ベストを尽くす」の言葉につながっていく。




先日、毎月送られてくる小冊子に、フリージャーナリストの音田昌子(おんだまさこ)さん「生きる長さは人それぞれだから、「今」という時間だけが唯一公平なのかもしれない」と、書かれていた。どうせ生きるなら、生きて生きるべきだ。この「今」を…

 

言いたいことは同じ、食は命につながる。命がなければ、大いなる人生はない。日々の食を整える、大切にする。私のお菓子作りも、ここから始まっていると思っています。亡くなった祖母に感謝です。

2017年9月28日木曜日

年に一回は食べたくなるお菓子

今年のおかげさんデーで販売するこの時だけのアントルメに「オーナーシェフのおかげんさんデー」を、企画するようにスタッフから強要された。切り口は、普遍的?な私の判断基準「自分が食べて美味しい」サブタイトルはつけていないが、年一回は食べたくなるお菓子です。

予約状況を見ていると、段突人気がないのがオペラ・カフェだ。年に一度は食べたいから、大学の授業メニューに入れている。作業量が格段に多くなるので、学生たちにはちょっと気の毒なくらい忙しいメニューだが、バタークリームを使ったお菓子では、これを外す意味がない。


店で販売しても同じで、売れないお菓子だ。先日、和菓子と洋菓子の製造販売をされている社長から「洋菓子は原材料費が高く、手間暇かかるけど売値に反映できないから大変ですね」と、同情?された。その通りですとしか言いようがない。


思いを持って、手間暇かけてショーケースに並べても、食べログなどで「普通やん」とか、書かれると笑うしかない。このジョコンドの中心までしっかり火を通すと、この上にエスプレッソコーヒーシロップを浸しても生地がじゅくじゅくにならんとサクッと切れてアーモンドの香ばしい味わいとコーヒーの香りと苦味、バタークリームの柔らかい旨味が一緒に溶け出し、それら渾然とつながる味わいをチョコレートが包み込んで溶けていく。食べ終わった後に鼻腔に戻ってくるコーヒーの香り長く残るバターとチョコの味。これがオペラやねん。みたいな話は意味を失う。


味わいは主観や好みで変わってくる。さらにいえば、気分や体調でも変わる。自分が美味しいと思うものが、全ての人も美味しいと思うのは傲慢だ。どんなに美味しいものでも回数を重ねると、飽きてくる。「前は、もっと美味しかったのに」などと、自信満々にいう人がいるが、どうでもいい、あなたの話だ。この年齢で作るオペラがある。それだけの話で、この味わいは再び出会うことはない。今の味を作る。そんな味わいを楽しんでいただけたら嬉しい。

2017年9月17日日曜日

県立大津高校らしいスィーツづくり

大津高校家庭科の生徒80人ほどに特別授業。パテシェ希望の子も何人かいるとのことを聞いていたので、夢をつなげるような話ができたらいいなと思った。


平成27年から、家庭クラブの顧問などを引き受けてスィーツづくりのアドバイスなどをしてきた。今年は、その取り組みを全国大会で発表して、文部科学大臣賞(最優秀賞)を受賞したと報告があった。少しは、お役に立てたのかと嬉しく思う。


そして、3年目になる「仮説大津高校らしいスィーツ開発」の話を、二学期の冒頭に1年生を対象に話をすることになった。昨年は、授業の終わりの総括と反省という位置づけだったが、学期はじめでの特別授業は先生たちの思惑があるのかなと思う。

80人全員のコメントが先生から送られてきた。読むのに約90分かかった。先生ってこれ全部目を通しているんだなと思うと、日の当たらない努力に頭が下がる。コメントの多くは、なんらかの刺激を受けて、気づきレベルにまで受け取る子が多かった。中には、評論家のような子もいるが、概ね学びや気づきはあったようで良かった。

パティシェ希望の子たちの、本気でパティシェを目指そうと思ったというコメントに努力が報われる。他にもパティシェは才能だけでやっていると思ってたというコメントもあった。日々の努力がないとプロとしてやっていけないことを理解してくれたようだ。

90分話し続けるので、ついてこない生徒が出てくる。今年は、その対策として、眠くなるピークに焼きたてのサブレを配って食べてもらった。お笑いタレントであれば笑いを一発だが、私はパティシェそんな器用なことができないので、地味にサブレを配る。狙いは的中した。

話をしながら、この場に立たないとこの感覚、気づきはない。こんな機会を与えていただけるのは、ありがたいと思った。目の前のことに全力で取り組むだけの話だが、終われば感謝です。

2017年9月16日土曜日

冬・春に食べたいと思うケーキコンテスト

小さい規模ですが、コアなパレットマニアの方のご協力をいただき、冬・春に食べたいと思うケーキコンテストを、草津エイスクエア店とパレット皇子山店にあるカフェドシナモニで開催しました。




今回もですが、社内コンテストで勝ち上がってくる製品と、お客様が撰ぶ製品に大きな開きがある。社内コンテストでは、パティシェ側の主観で見ていくので、がちがちのフランス菓子のような組み立て方のお菓子が好まれ評価される。お客様の評価は、ネーミングなども含め”わかりやすさ”や”食べやすさ”が評価のポイントになってくる。



これは、わかっているつもりで分かっていないという事実を突きつけてくる。”流暢性の幻想”で、わかっているつもりになっているだけのことだ。他者を公の場で、無神経に批判しまくる人や正論を振りかざして、公的立場の人を”犬”呼ばわりするような話とつながっていく。ここまでくると、人としてどうなん?と、率直に思う。



話を戻すと、お客様の笑顔のためにと懸命に考えているつもりでも、やはりパティシェの自己満足は否定できない。できないが、それを全否定することは意味がない。こんなお菓子あったら食べたいな。が、そもそもの動機だからだ。行動はすべて”欲求の充足”成功も失敗もすべてスタートは同じだ。



今回、キャラメルマキアートという商品名で提案があった。入社3年目の技術も知識もまだまだな3年目のパティシェ―ルだ。技術習得も人一倍時間がかかっている子だ。そのうえ、自分勝手、マイペースがその子の持ち味になっている感がある。社内コンテストでもこの製品を出すか出さないかでもめたほどだ。しかし、お客様評価は高かった。



製品を作った思いを聞けばとても素直。目指すイメージがはっきりしていたから迷いなく持てるわずかな力を一点に集めた。素直な感性がお客様の心に響いたのかなと思う。試行錯誤は続きますが、こうしたイベントもお客様とスタッフでつなげていきながら、お客さまもスタッフも幸せになる店づくりを、素直な気持ちで進めていきたいなと思います。


2017年9月11日月曜日

空色農園のシャインマスカットをつかったタルトを作る

空色農園の三崎さんが直接、シャインマスカット持って店にきていただけた。一年越しのラブコールがようやく実った。食べてやはり美味しい。三崎さんも、奥さんと一緒でとても柔らかい雰囲気でご縁をいただいて嬉しいと思った。

素材に力があるときのお菓子作りは簡単だ。糖度が21〜22度でしっかりと甘くみずみずしい味わいを生かす、それだけの話だ。お菓子も、作り手の表現力など、その人の人間性が強く現れる。農産物も同じだろうと思う。


空色農園のホームページを見ていたら、空色農園の名前の由来が書かれてあった。「空色農園の空・色は、仏教の世界観「色即是空、空即是色」が元になっています。色は、五感で感じられるものを表し、空は精神や第六感を表します。仏教の世界観では、この色と空が合わさり「縁」が生まれるとされています。人と地域とのつながり、縁を大切にしたという想いから、空色農園は始まりました。」空色農園さんホームページから引用


思いが同じ。お取引できる巡り合わせにありがたいと思います。滋賀で暮らし、滋賀でお菓子を作り、滋賀の人を元気にできればいいな。そんなことをいつもぼんやり思っているが、同じ思いの人が繋がることは大きなエネルギーへと繋がって行く。ものづくりという入口から入ったが出口は同じ社会の役に立つ。社会貢献。シャインマスカットのタルト「いまだけ、ここだけ、これだけ」しかない限定商品だけど、多くの人に笑顔になっていただければ嬉しいです。

2017年9月9日土曜日

「自信を持て」は無責任

野球解説の権藤博さんが新聞のコラムに書いていた。投手の自信はマウンドで結果を出すことでしか得られない。監督やコーチがいくら自信を持って投げろと言っても無駄。自信は自分を信じること。人から与えられるものではない。内から湧き出るもの。何の裏付けもなく「自信を持ってやれ」のアドバイスは無責任。

パレットでは、自信を自分の中に作るために、社員全員が日々の小さな行動目標設定に取り組んでいる。1日の終わりに小さな達成感、満足感を感じる。そんな小さなことを積み上げることで、自己信頼感、自己肯定感の絶対量を増やす。増えたから、急激に変化するのではなく可能性が高まる。そこから、その人が掴むかどうかは、最後の一分一秒までわからない。つまり、試合に勝つことだ。そして、結果はプロセスに支配されている。


取り組んでいることは"気がついたらすぐやる" "使ったものは元の場所に戻す""脱いだ靴は揃える"小さなことだが、習慣になるまで取り組むことで、明らかにその人の内面で核反応が起こる。その社員の当たり前が変わる。そうして社員が、お母さんに「あんた、どうしたん?」と、言われる。無言の笑顔が交わされる。人の成長は、ゆっくりと繋がっていく。


社員教育の補助金は、外部講師を招いてするセミナーにしか出ない。こうしたオリジナルな取り組みに共通の価値を見出せないからだと思う。しかし、外部講師の研修より、はるかに効果があると思っている。それは、"自信をつかむ"という本質に向かっているからだと思う。自信は、教えてもらって持てるものではないのだ。

年輪経営 かんてんパパに行ってきました。

滋賀県洋菓子協会の研修で、長野県の伊那食品工業(株)丸山事業部長のお話を伺った。以前から聞いたことのある年輪経営の話を、丁寧にわかりやすくお話しいただいた。



出来上がった会社を見ていると様々なご苦労があまり見えないけれど、いっぱい苦労して1つ1つ積み上げてきたのが、今日なんだろうなと話を聞きながら思った。"良い会社"ではなく"いい会社"を目指す。売り上げも利益も全て社員を幸せにするための手段にすぎないに共感を覚える。

会社経営の要諦は「ファンづくり」P・F・ドラッカー教授の「顧客の創造」とつながる。ファンづくりのために、良い商品、良いサービス、整理整頓清掃された心地よい店、挨拶や言葉遣い、笑顔の1つまでもが、全てファンづくり繋がっていく。つまり、社員一人ひとりが一日何人のファンを作れるか?に掛かってくる。「いい会社」は、それを積み重ねてきているということだ。

全く同じことを、日々言い続けている。パレットも日々こうした小さな努力を重ねていくことで、伊那食品さんのようになれるのかな?と、ぼんやり思う。しかし、時代の中で経営環境は目まぐるしく変化していく。昨日のニュースでトイザラス の経営危機が報じられていた。塚越会長の言う「遠きを図る経営」が、ズンと心に落ちてくる。少しでも近づけるように、努力しようとマジに考える1日でした。こうした出会いに感謝です。


2017年8月3日木曜日

長野産直送ブルーベリー

昨年から、取引を始めた長野産ブルーベリー大粒で味がしっかりしていて、とてもお気に入りの食材。食材に力があるので、そのまんま店ではブルーベリーのタルトに仕上げて販売。昨年食べて、楽しみにしていたという方もおられて、作り手としてはとてもうれしく思います。


良い素材に出会うと、シンプルにその味を中心にしたお菓子づくりを考える。素材を活かすと、いうことだが、お菓子づくりを複雑に考えると、こうしたブルーベリーのタルトは"普通"で、インスタ映えもしない。


先日知り合いの知り合いで、つまり全然知らない人から、綿菓子の専門店を開くからということで相談がきた。しきりにインスタ映えするものを作りたいとのこと、途中でこの人の思いについていけなくなった。興味を失ったというのが正直な所。



目の前の「おいしい」と、喜ぶ笑顔に出会えるのがお菓子づくりをやっていてとても嬉しいこと、ごちゃごちゃうんちく並べて褒めてもらわなくていい、言葉を超えて共感できる範囲でケーキ屋さんを続けていけたらいいなと思う。だから、インスタ映えしない地味な商品ばかりで、世の中の流れに乗っていなくてもいいと思っている。


自分勝手で傲慢なのかなと思うこともあるが、お菓子づくりそのものが傲慢な自己表現の要素を含んでいる。自分がおいしいと思うもの(食べたいもの)を作る。とてもシンプルな動機でお菓子を作っている。これも、角度を変えてみれば傲慢なのかと思う。思考を漂わせても、おいしいものは人を笑顔にする。このブルーベリーはおいしい。この事実は、なんら変わらないのです。

2017年7月30日日曜日

子守アナウンサーオススメのスティーヴン・ガイズ著『小さな習慣』

盛和塾の世界大会で、元毎日放送のアナウンサーだった子守さんと席が隣になって、いろんなお話を伺った。元気で、何よりも声が大きく力があるので、つい聞いてしまう。元気をいただける声だと思いました。

そんな子守アナウンサーから送られる不定期のメルマガに、オススメの本ということで「小さな習慣」が、紹介されていた。一年前に読んで、今季の経営計画に取り込んで全社員で取り組んでいる所で、子守さんと感性がピタッとあったとちょっと嬉しかった。

子守さんも「大きな大きな経営目標を掲げよと教えられてきました。
しかし、お恥ずかしい話ですが、まったく達成できずにいます。

身近なところでは、ダイエットに挑戦したものの続かなかった
という体験をお持ちの方がほとんどではないでしょうか?

私自身、番組の企画でいわゆる炭水化物ダイエットに挑戦し、
3ヶ月で10キロ落とせば良いところをわずか1ヶ月で達成。
3ヶ月後には15キロの減量に成功したものの、いまでは
人生最大級のヘビー級チャンピオンにリバウンドしてしまいました。 大きな大きな目標を立て、
日々できないことを自分のせいにしてしまう、そのやり方こそが
問題なのであって、あなたが悪いわけではないのです、という
目から鱗の内容でした。書店のPOPに書かれていたように、
「指で鼻を触りましょう」というような、じつにバカバカしいと
思えるような、毎日抵抗なくできることに目標を小さく小さくして、
それを継続できれば、結果として大きなことが成し遂げられる
というお話です。

自分も含め、周囲にも強いていたやり方は、付いてこられる
人だけを対象として、落ちこぼれを作り続ける焼き畑農業で、
この「小さな習慣」を身に付けることこそが、みんなが笑顔で
成長できる方法と思う」
商品の詳細
先日、この話を短大の授業の中で話したが、学生はついてこなかった。話してる途中でモチベーションが落ちてしまった。もっと自分の中に落とし込んで話さないといけないなと反省。学生には難しかったというより、私の話し方がいけてなかったと思う。反省しつつ、自分を変えるきっかけ作りの小さな習慣づくりをやりきって、来年の製菓理論の授業で熱く語ってやる。

2017年7月24日月曜日

盛和塾 稲盛経営者賞を受賞

2016年7月13日、14日京セラ名誉会長 稲盛和夫氏が主宰する経営者の塾「盛和塾」の第24回世界大会が4800名が参加して、パシフィコ横浜で開催されました。本大会において「稲盛経営者賞」を受賞いたしました。



受賞基準は、塾生経営者約10,000名の中で特に素晴らしい経営を行い、優れた業績を上げた者に授与されるとのことです。この栄誉ある受賞は社員ズタッフ全員の日々の努力とお客様からの支持の賜物と考えております。心より感謝申し上げます。

ずっと受賞を目標に掲げて経営に取り組んでいたので、受賞の連絡を頂いた時は「えっ」と、言葉が出なかった。しばらく時間が経って、じわじわと喜びが湧き上がってきました。誰かに自慢するというよりも、自分によく頑張ったねという気持ちとスタッフにありがとう、お客様、業者さんにありがとうです。


ステージから見える景色の中で、職人経営者をハンディのような捉えていた。職人的なこだわりから経営の幅を狭くしている。もっと、経営に徹しないと、そんなことをずっと思っていた。それが、ステージに立った時にそうじゃない。これが強みだったんだ。と、気がついた。稲盛塾長に気づかされたという方が正確かもしれない。そして、とても清々しい気持ちになった。

その感じ方が正しいかどうかはどうでも良くて、結果を出せば良いのだ。その強みを生かして、結果につなげる。それだけのことだと気がついた。今更と言われるかもしれないが、職人的思考からなかなか抜けられないのです。


2017年7月8日土曜日

ちはやふるの空気感で作る滋賀のお土産

近江百人一首サブレを作って、販売を始めた。そもそも、大津市役所の観光振興課さんから、何か考えてくださいよっていう話。軽いノリで、ジャーと受けた。


いつものように職人的思考で、ものづくりに向かっていく。5品ほど考えて、市役所の人たちに試食していただくが、どれも美味しいがこれっていうものがない。からくれないのイメージで作った木苺のポルボロンは、なかなかの出来栄えだった。しかし、しっくりこない。


行き詰まった時に一旦リセットして、漂うように思考を解き放ち、お菓子のイメージを探る。近江神宮を歩いた時の森の涼やかな風と香り。これかなぁとひらめく。あとは、そのイメージに向かって、味わいを決め、材料を調整して、頭の中で試食する。

近江米を使ったサブレ。サクッと弾けるような食感。米の甘さと一緒に、近江神宮の森のイメージを味わいで表現する。ジンジャーとシナモンを重ねる。何枚も食べられる味に仕上げる。そんなことをレシピに落として新しい味わいが出来上がっていく。

お土産は、コース料理の最後に出てくるデザートと同じで、大津にきて良い思い出を家族や親しい友人と分かち合う時に食べていただくイメージ。ここで「あれ?」となっては元も子もない。素朴で力強く、わかりやすい美味しさで多くの人が笑顔になって欲しいと願う。地域密着のケーキ屋さんのできることをやっていく。

2017年6月18日日曜日

萬年筆の新聞広告に、ちょっと感動

何気ない新聞広告やテレビコマーシャルに、感動や感心することがよくある。一瞬通り過ぎていくようなものだが、そこに得心させるものがある。だから、いつも注意して見ている気がする。もともとテレビ番組より、CMが好きなのかもしれないなと、この頃思う。

話は変わるが、手作りケーキの仕事をしていて、この手作りは必要なのかと思うことがある。創業した頃、他のお店が作っていない似顔絵ケーキやキャラクターケーキを好きで作っていた。今は、どこのお店でもやっています。600円の追加料金に高い、安いという話。製作にかかる時間は、40分〜60分はかかる。手の込んだものは90分ほどかかる。人にもよるが、アルバイトの時給が900円、1000円のこの時代で、技術を持った菓子職人が30分の時間をかければ、追加料金は必要なんだが、市場ニーズと価格とあっていないと思う。つまり、手作りである必要はないと思う。

そんな結論から、パレットでは食品プリンターを導入してお客様のニーズに応えようと思う。そして、手作りであるべきところに集中しようと思うのです。時代が勢いよく変わる中で、大事にすべき点とそうでもない点は、分けて考える必要がある思うのです。合わせて、これからの時代に求められる菓子職人の付加価値についても同じと思うのです。

2017年6月10日土曜日

結婚します。

毎年、決算月の4月に退職する社員がいる。幸いなことに、退職される方は後のことを考え、ある日突然退職ということは少ない。4/1に新人が入ってきて、ちょっとなれて引き継ぎが終わる四月末退職になる。それが、当たり前で普通のことではないと思うが、パレットでは割と普通のこととなっている。


今年も一人、結婚して奈良に行く。とても頑張ってくれていた。どの場面でも全力で頑張る姿にこちらが助けられたことがたくさんあった。その人がいることで笑顔で元気になれる。


何気ない話に、家族の話がたくさん出てくる。愛情たっぷりに育ったんだと思う。小さい時、おじいちゃんにせがんで、両手を持ってブンブン回してもらっていたら、肩の関節が外れて救急病院へ行った。病院から帰ってきて、おじいちゃんがしょんぼりして何度も謝るので、笑ってしまった。

新入社員がどう育って行くのかは、いつものことながら全くわからない。会社として、できることにベストを尽くす。あとは、その人の持っている人間力なのかと思う。その人間力のベースに、家族からの愛情の量と質が決め手になるのかと、退職する社員を見ながら思った。5年という短い期間、もっと一緒に働きたかったな。感謝と幸せになってねとの願いを込めて、お疲れ様、ありがとうです。

日本一のショートケーキを作るプロジェクト

今期の経営計画に、日本一のショートケーキ作りというテーマを掲げ取り組んでいる。コンテストに応募して、勝った負けたではない。どこかの国の誰かにお墨付きをもらうでもない。ましてや芸能人に褒めてもらいたいのでもない。作り手の自己満足でもない。冷静に、緻密に、素材メーカーの協力を得て、自分たちの感性も総動員して、美味しいショートケーキを作って行くという熱き思いを持ったプロジェクトです。

思いつきのようなプロジェクトを、メーカーさんに話すとがっつり食いついてきてくれた。表からは見えないが、こうしたメーカーや業者さんの協力をいただける。例えばバターが不足するとなっても、メーカーさんは「何があってもパレットさんのバターは切らしません」と約束をしてくれる。涙が出るほどありがたく感謝している。そして、これがパレットの強みの1つと思う。


今回のプロジェクトテーマは夏のショートケーキ。製粉会社の製品企画責任者、乳業メーカーの製品開発経験のあるパレット担当の方の協力をいただいて、クリームより早く溶けるスポンジケーキを焼きあげ、そのスポンジにジャストフィットする生クリームを合わせる事に取り組んだ。いちごは、夏なので酸味が強く繊維も固い印象のイチゴを想定してポジションを合わせる。


理論で詰めていきながら試作を重ね、なんとなくのグレーな部分をなくして行く作業。根気がいるが、グレーな部分をなくして行くととてもスッキリとして強い味わいに変わって行く。グレーをなくすと強みになるのは、会社も同じ事だ。良い会社づくりが美味しいお菓子作りにつながって行く。プロジェクトを楽しみながら、こうした味わいを多くのお客様と一緒に楽しんでいただけたらと思います。そして、2週間後には秋のショートケーキの提案が予定されています。笑って心から感謝しつつ、夏のショートケーキの販売を始めます。

2017年5月5日金曜日

瑠璃も玻璃も照らせば光る

今年は、琵琶湖ホテルで経営計画発表会。いつも皇子山店のカフェでやっていたのだが、人数が増えてきたことと、少し雰囲気を変えて、さらに進行を変えてみようと思ったからです。


春の日差しでキラキラと輝く琵琶湖がとても美しかった。「瑠璃も玻璃も照らせば光る」このことわざから、琵琶湖ホテルのメイン宴会場が「瑠璃の間」だと、以前社長から聞いたことがある。瑠璃は青色の宝石、玻璃は水晶のことを言うそうです。意味は、優れたものに光を当てると多くのものに混じっていても、同じように光り輝く。今年入社の社員たちも、どんな状況でも光り輝いて欲しいなと思う。




今期の新たな取り組み「一人三役多能工制度」これは、長い連休をとって休むことができる人とできない人がいる現状を変えて行くことで、将来、育休を取る人がいてもみんなの力でカバーして行こう、言い換えればみんなで子育てして行くようなそんな会社に成長できたらとの思いです。中小企業だからこそ小さなことから積み上げて会社を少しでもよくして行こうと言う取り組みです。




縁あって、共に働く。人生の大切な時間を共に過ごす。できるならば笑顔で過ごしていきたい。経営理念「幸福の実現」を具現化していきたい。パレットで働く人を光り輝かせる会社でありたいと思う。そんな思いを文章にして、スケジュールに落とし、達成目標にした計画書。結果はともあれ、まずは納得できる一年にしたいと思います。