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2016年9月26日月曜日

職場体験前の事前学習講師での話

近くの中学校から未来を受けて職場体験学習事前での注意すべきことなどを話して欲しいとの依頼を受けて、話をさせていただいた。パワーポイントで資料を作って、準備した。


話の要点は、①ちゃんと目を見て挨拶をする。②返事をする③ありがとうを言う。の3つを気をつけて、せっかくの機会やから、いつもと違う自分を発見したら楽しいよという話。


それを職場体験学習する前に自分と約束をして、やりきること。それで得られる自己信頼感、自分との約束を守った事実が大事。それを、ハインリッヒの法則を使って説明をした。ちょっと難しい話で、ついてきてくれるか心配だったけど、みんな一生懸命聞いてくれた。


話したことの理解を進めるために、最後に全員「印象に残った一言とその理由」を発表してもらった。みんな話をしっかり聞いてくれていたようで、3人だけ発表を一旦パス。他の人はきちんと自分の言葉で話をしてくれたので、感動。素直だなと思った。


話し方で、理解の度合いが変わるので、ゆっくり大きな声で話すことを心がけた。一人の子が「よう知ってはるなと思った」と、おばちゃんのような感想を言うので笑ってしまった。率直な感想なんだと思う。せっかく学校を出て勉強する機会だから、いつもの自分とは違う自分の中から新しい可能性を見つけてくれたら嬉しいなと思いました。楽しい時間をありがとうございました。


2016年9月24日土曜日

滋賀県果樹試験場に行ってきた

滋賀県農業政策課の方から、これから滋賀県で作付けを行うイチジクの新品種での市場性についての意見を伺いたいとの依頼。イチジクを加工してケーキに仕上げるパティシェとしての狭い範囲なら、お話しすることは可能です。と、お答えし、自分たちの勉強も含め、堀川、坂口と3名で出席させていただいた。



バナーネ、カドタ、アーテナの3品種に、現在市場に最も多く出回っているいわゆるイチジク「桝井ドーフィン」という品種のイチジクを試食させていただいた。個人的には、カドタ、アーテナが味わい的に個性があって濃い味わいで、美味しかった。しかし、生産性が悪いので生産者が喜ばない、小さいので市場で売れるイチジクではないとのこと。バナーネは、この1週間の雨、曇り続きで糖度が落ちて水っぽくなったとのこと、確かに以前試食したときの印象とは違った。持ち味のねっとりした旨味は、感じたのでやはり「力」のあるイチジクなんだと思う。皮ごと食べられるので味わいの変化もある。


試験場の畑も見させていただいた。ポット栽培という栽培法で、効率よく生産できる工夫を重ねているとのこと、私たちの知らないところで様々な工夫研究がされている。品種は見たらわかるでしょ。と、笑顔で無茶をいう。素人に品種の違いって・・・・葉っぱ見たらわかる。確かにちょっと違う。



このイチジク水っぽいねというのは簡単だが、その背景に、台風があって、雨が大量に降って、高気圧と低気圧の間で天気が不安定。結実するギリギリの環境変化までは読めないと思う。あるがままを受け入れるしかない。しかし、水っぽいイチジクに対して、働く市場原理(売れない)は現実。


そんなことを思うと、今お取引をいただいているイチジク生産者の浅野さんが困ったときに、何ができるのだろう?と、考える。パティシェなので、美味しいイチジクを使いたい。しかしそれを作っている浅野さんがあってのこと。そう思うと、水っぽいイチジクを引き受け、少しアレンジして(単純に、水を飛ばす=乾燥、焼くなど)別メニューで作る努力が、おつきあいして行く上で大切なことと思う。



そんな覚悟を持っていなかったなと反省。イチジクを買う地産地消から、イチジクを作る方と共に生きる地産地消を大切にしたい。自己満足のお菓子作りではない、近江商人ではないが「三方よし」のお菓子作りが大事だと思いを新たにした滋賀県農業試験場でした。新たな学びと気づきに感謝です。

2016年9月12日月曜日

大津商工会議所 創業塾講師

大津商工会議所から、創業塾をやるので、創業の先輩として話をして欲しいとの以来。必要とされるのならという社会貢献の思いと好奇心をもって依頼を受け「持続可能な地域密着ケーキ屋の経営」と、題して話した。

「どのような仕事で創業を考えているのですか?」どの仕事も一言で理解できないニッチな仕事での創業を考えておられる。さらに質問「その分野の市場規模はどのくらいあるんですか?」「さぁ・・・」そんなやり取りで、すごいなと正直思った。市場も見えず、今日明日の「飯」の心配もなく新しい事業に集中できる。住む世界が違うのかなと思った。私には創業どころか、一歩踏み込むこともできない。立ちすくむだろう。


創業と言ってとりあえずスタートは誰にでもできる。独立開業も同じこと、店を作るくらい誰でもできる。問題は、継続させること、借入金があるなら、ちゃんと返済すること。そんな当たり前のことと思う。


そうしたことと関連してるのが、第一印象。日々の物の見方考え方の習慣が、第一印象に現れると思う。例えば、ビジネスで初対面のときに、時間に遅れてくる、TPO にあっていない服装でくる。などは、継続した取引は難しいものだ。取引のきっかけを失っている。「継続性」と「習慣」は密接に関連するからビジネスでの成功は、このポイントですでに別れる。受講生は、創業する前なんだけど、そういう視点で見ると準備不足感は感じた。と、いうか創業するための地力が鍛えられていないのかと思う。


印象だけで判断していると思われるかもしれないが、世の中での「決める」ことが、判断する人の価値観、先入観 、固定観念で決まる。固定観念の中には、哲学や理念も含まれる。言葉を交わさない「印象」で得た情報で、その人の中でほぼ80%ほど決めていると思う。さらに、それは経験学習が多い方ほど強い。

今の世の中にない事業をということでも、何をやるかは市場ニーズとマッチすれば可能性は広がる。しかし、こうした人として不変的なことは、あえて、愚直にやられる方が可能性は高くなると思う。そんなことを講師席から見ながら思ったのでした。



2016年9月4日日曜日

滋賀県果樹品評会最優秀イチジクを使ったタルトができた。

品評会で知り合ったイチジク生産者浅野さん。品評会の時は「また、うちのイチジク使ってください」という挨拶程度でした。でも、その時に最優秀が決まったのに、一言も「これ、私のところのイチジクです」って、言わなかった。というか、私が県の方との名刺交換や挨拶などで、バタバタしていたので気遣ってくれたのかと思います。


品評会の後、浅野さんに直接ご連絡を差し上げて、製品開発担当の坂口くんが現地に行って浅野さんの話を伺い、入れて頂けることになりました。早速、試作、販売までのスケジュールを立てた。試食では文句なく「うまい」で意見が一致。早々に販売することになった。


浅野さんの話では市場に出したり、近辺の 道の駅や高速道路のサービスエリアに入れてだいたい終わりです。毎朝4時から、奥さんと二人で頭にライトをつけて、熟したイチジクを選んで収穫して8時にそれぞれのところに納品するとのこと。昔は、このライトが重くて、首がダルなるくらいやったけど、今はLEDに変わって軽くなったんやと笑顔で話す。

「完熟したイチジクの見極めは何か基準でもあるんですか?」と、聞くと「経験やな」と、一言。それはぼんやり時間をかけても習得できるものではないと思う。職人の世界と同じで、言葉にならない努力の積み重ねによって「わかる人」と「わからない人」に分かれるのだと思う。

わかる人は、わからない人がわかるけど、わからない人はみんなと同じだと思っている。つまり、自分は正しいと思っているのかと思う。表面的で薄っぺらいのだが、固定観念、自己イメージは、自分で作って行くのでなかなか変わらない。気づかないのだと思う。自分はできると思っている?


どの世界にも、プロの仕事をする人の話には奥行きがあり、本質がある。そして魅力的な人が多い。そんな浅野さんに、出来上がったケーキを持ってまた会いに行こうと思う。絶対食べていただきたい。そんな人と人のつながりを大事にする菓子職人でありたいのです