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2009年8月20日木曜日

守山北高の職業インタビュー

滋賀県立守山北高校の生徒が、パテシェの仕事について教えてくださいと、訪問してきた。自分の将来についてリアルに考え始めるにあたってのことと思う。
「パテシェになるための方法論」や「パテシェになるには何が大切か」という漫然とした質問だったりする。質問したいことは、なんとなくわかるが、原則論のような本質の話にどうしても終始していまいます。本質的な「働く」って言うことを理解するには経験不足だ。やむをえない話だ。
結論的には、専門学校を出て、このパテシェの世界に入りたくて・・・入っても、3年ほどの間に80%の人が離職している現実。問題は単純に一つではないが、高校生に伝えたい大切なことは、20%の人たちはどうして残ったかということ。
その人たちは、毎日、一生懸命に楽しいお菓子作りに励んでいて、しんどいこともあったけど、気が付いたら「あれ、もう3年たってた…」みたいな人達だということ。
サーフィンでいえば、20%は波の上で乗れないなりに楽しんだ、正確には「楽しい」と感じた瞬間があった人。80%の人は、同じような経験を積んでも、そんなに楽しいと思わなかった。もしくは、波の下にたたきつけられ、波にのまれてぐるぐる水の中で回転していた人かと思う。ひたすらしんどいって言う感じでしょうか?でも、自然相手のスポーツしんどさや難しさはそんなに変わらないけど、楽しいと思える人とそうでない人の差かと思う。
高校生たちに、そんな話をしながら、ケーキバイキング状態でケーキを食べていただいた。その満足そうな笑顔を見ていると、それだけでもこのわずかな時間は良かったかなと思えました。

2009年8月18日火曜日

卵を使わないスポンジケーキ

パレットでは、卵アレルギーの方の誕生日ケーキを、ご注文をいただいてから作るようにしています。先日、そんなお客様からおしかりをいただいた。「プロが作るのに、このケーキはおいしくない」という内容でした。卵を使わないでふんわりしたケーキと、言われても…言い訳をたっぷりしたい心境でした。

ネットで製法特許をとっている卵を使わないスポンジケーキというのがあった。内容を見ると、乳化剤を使っている。アレルギーを持っている方に添加物は良いのか?素朴な疑問。で、何でこの程度のことで製法特許なんやろ?

ちゃんと向き合って、ちゃんと喜んでいただけるスポンジケーキを作ろうと思った。それも、添加物を使わずに、パレットのお菓子作りの根本を変えてはいけない。そんなルールを自ら決めて取り組んで、頭の中でレシピを考えながら、実際の試作でも七転八倒。スポンジにならない。おいしいだけの話ではない、製菓理論を分子レベルまで考える。本を読み調べる。メーカーの研究所に質問をする。

添加物を使わない柔らかいスポンジケーキが、ようやく出来た。ふんわりまではいかないが、味も普通のケーキと変わりない仕上がりです。スタッフも、この仕上がりなら、この間のお客様にも喜んでいただけると思います。と、言う。
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このレシピで製法特許を取ろうと言う発想にはならない。できればご家庭で、子供のために、お母さんが作っていただければそれが一番だと思う。パレットのお菓子教室でも要望があれば教えてもよいと思う。材料も分けてあげてもよいと思う。素直に、困っている人のために、少しでも役に立てればそれでよいと思うのです。

2009年8月14日金曜日

チョンチャンボ社長から、もらったスプーン

4月にソウルに行ってお土産に頂いた韓国仕様のはしとスプーン。プレゼントの主はチョンチャンボウという名前で、名前そのままの面白く優しい人だ。大きな建設会社の社長です。その彼からもらったスプーンと箸の使い道がなくて困っていた。
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とりあえずとテストキッチンに置いておいた。それからしばらく経って、試作の時に何気に手に取ったその感触が、素晴らしく手にフィットする。道具としてパーフェクトの感触だ。微妙なカーブや太さ、まるみなどを感じながら、ふと思った。「高いんだろうな…」
日々の食事に、スプーンを使うのはカレーライスぐらいだから、自宅では日の目を見ないスプーンだったが、テストキッチンではなくてはならないものになった。
このスプーンを見れば彼のいたずらっ子のような笑顔をすぐに思い出す。使途は違うが、彼の持たせてくれた思いは達成できているようだ。改めて、カムサハムニダ〜

2009年8月10日月曜日

調理クラブのお菓子教室

大津市立粟津中学校調理部の子たちを対象にお菓子教室を開きました。知り合いに頼まれてというご縁ですが、材料費だけいただいてほぼボランティアのお菓子教室です。中学生の子たちは、素直に、難しい、緊張するといいながら、全員がデコレーションケーキを完成させました。
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普段の料理を作る感覚とは、また違っていること、また場所が緊張するということもあったようです。それでも出来上がったときの笑顔は、本当にうれしそうでした。

お菓子教室は、準備が大変な上に、個人の理解度や技量の差があるので、進行が難しい。そして何より、教えながらのデモで失敗はできないのだ。
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中学生たちにどれほど伝わったかは、わからないが、卒業アルバムに乗ることは間違いないようです。

2009年8月8日土曜日

びわこ大花火大会

今年の花火は、いつもの8月8日と変わり、8月7日になった。警備の関係で土日を避けたということのようです。つぅーことはずっと土日を避けるということかと思います。せっかくの花火大会で、けがや事故を起こしたら、誰かの責任ということより、その事実の方がかわいそうですよね。

家から見える、琵琶湖の夜景です
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そして花火が始まりました
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きれいに撮りたいと思うが手がぶれているようです
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次々と湖面の色が変わる
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フィナーレは、見入ってシャッターチャンスを失う。相変わらず目の前のことに気を取られてしまう前田でした。
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2009年8月2日日曜日

非常勤講師が終わる

滋賀短大製菓コースの非常勤講師を引き受けて今年で5年目。前期15回の授業が終わりました。学生は、18歳から19歳という微妙な年齢。毎年、いろんな学生がいて、いい意味で毎年新鮮な「その年の人」に出会えます。
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ため口で話す人、ちゃんと敬語を使って話す人。なんでか、先生に向って上から目線で話す人、その日その時の感情をぶつけてくる人もいる、問いかけてもあまり反応もない人もいる。近頃の若いもんは・・・などとひとくくりにはできない。
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政治家が、さもすべての国民を理解したかのように言う「国民感情が許さない・・」っていうあなたは誰?と、聞きたくなるように、一人ひとり違うし、理解するには時間がかかる。だから、学生と先生という関係性の中でも、まずはお互いを尊重し、認め合う気持ちが必要なんだと思う。そして、結果だが、先生が一番学ぶ。学生より先生が学ぶ絶対量が多いと思う。
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学習の成果を問う試験。今年は、80点以上高得点の学生が18%を超えた。決して問題が優しいわけではない。ほぼ満点という学生もいた。昨年は80点以上が0.5%だったので、大きな変化だ。
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非常勤講師なので、教えるのがプロではない。しかし、ちょっとづつ学習しながら、本当の意味での先生になれたらと思う。毎年出会う「その年の人」のためにも、そう思う。わずかな時間だが、お菓子作りを通じて、その人の日々の暮らしに彩りが添えられたらと思う。そして、そうした経験を通じて、本来の仕事であるパテシェとして、一つのお菓子として形作れたらと思います。