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2015年12月6日日曜日

パレットの製品開発の方向性

近藤真彦さんのトーク番組での話。以前は「売れる曲」を歌いたいと思っていたが、この頃は「いい曲」を歌いたいと思いますね。わかるな、その気持ちと、妙に納得した。



たまたま読んだ新聞に、2015映画回顧というコラムがあった。2015年の作品の中で筆者の目線で選んだ3作品の紹介。また、DVDが出たら見よう程度で記事を読んでいると「今年も市場の好みに合わせて作られる作品が多かった」うん?「作家の意志によって作られ作品」が、もっと多く世に出て欲しい。との記事のまとめ。これも、納得した。




パレットのお菓子作りのコンセプトは、創業から今も変わらず「自分が美味しいと思うお菓子を作る」つまり「自分たちが食べたいお菓子を作る」ともすると自己満足の極みのようなコンセプト。



しかし、お菓子の味わいは、主観。その主観を共有共感する人が多ければ、それが美味しいとなるものだ。だから美味しいは季節によって、人によって、その時々の体調や気分によって違うものと思う方が自然だ。人間も自然の一部だからだ。



話を戻すと、売れるお菓子を作ることより、美味しいお菓子を作りたい。お客様のニーズに合わせたお菓子も作るが、作り手の意志が伝わるお菓子もたくさん作りたい。小さな地域密着のケーキ屋さんだからこそできるお菓子作り。ここを笑顔で、極めていきたいなと思う。パレットの製品開発の変わらぬ方向性です。

2015年11月8日日曜日

アンケートにお答え頂いてありがとうございます。

毎年恒例の創業イベント「おかげさんデー」で、ショートケーキを極めるというテーマで6種類のショートケーキを限定販売した。買っていただいたお客様のアンケートを読みながら味わいの感じ方は多様だなと思う。しかし、素材の良さや持ち味、鮮度は、きちんと感じていただいているなと思う。味わいの好みとは別だから、ここをわかってもらっていないとちょっと辛い話だ。



パレットで使う油脂は、バター、太白ごま油などを使っている。100年以上食された食材のみを使うという考え方で、それ以外のものは使わないことにしている。話はそれるが、シリコン型で焼き上げるしあわせスフレを食べていて離型油の味を感じるので、これを太白ごま油に変えた。当然材料費は高くなるが、味わいはすこぶる心地よいものになった。

離型油は食品に使うものだから問題はない。多くのケーキ屋さんで普通に使われているものだ。それを良いとか悪いとかの判断ではなく、味わいの一部として感じ、考えると違ってくる。同じ様に私はあまり缶コーヒーが好きではない。金属の味わいを感じるからだ。これは感じる人と何も感じない人もいるとのこと。だからという話ではない、私は好まないが飲む時は普通に飲んでいる。調味料の味わいも同様。素材の味わいが遠いものは好まない。

お菓子作りに使う素材の味わいを感じる時も、あるがままを感じる様にしている。その味わいをどの様に組み立てて行くと目指す味わいになるか、何が足らないのかを考える。割と単純シンプルなお菓子作りが好きだと自分では思っている。素材に強い力があるとウキウキしてくる。

話を戻すと、アンケートに答えていただいたお客様に「ありがとうございます」をお伝えしたい。そして、感謝の気持ちを持って、真摯にお菓子を作る職人として努力を続けていこうと思った。

2015年9月6日日曜日

お客様参加冬春新製品コンテスト

毎年、冬春、夏秋の二回実施している「お客様参加新作コンテスト」を、9/29〜10/2の期間開催します。

新人も含めて全社員に参加資格がある。まずは書類でエントリーして、基本的な食材や、テーマがかぶっていなければ試作していただく。新人が通ることは今までにないのだが、自分のイメージや経験で、お菓子を組み立てるというプロセスを実際にやっていただく方が学びが大きいからです。


新人はまさに本に書いてある通りに作ろうとするが、技術の未熟や経験不足が出て、製品完成に至らない人もいる。それでも、製品を作ろうと取り組んだ人にしかわからないことを知ることになる。完成まで、決めたことをやり切る精神力も体力も必要だ。好きだけではできない話だ。




今回は、二年目三年目の若いパテシェが社内審査を通過してきた。商品としてはちょっと荒削りなところもあるのですが、その人らしさも見えて微笑ましい。お客様の反応が楽しみです。



新人パテシェの教育を方法論的思考から、OJTの実践を通じて、新人が育つ環境作りにウェートを置いた考えでの取り組みです。そうしたことを通じて、自分がなんのためにパテシェとして働くかが自分の中でわかっていく。人それぞれだが、普通に3年はかかる話だ。

2015年8月20日木曜日

お菓子づくりへに動機

昨年末から、社会奉仕団体での役職を受けた。是非と言われる「信頼」に全力で答える。そんな思い。そうした役職を受けると、様々な人との距離感が大きく変わる。表面的に見ているだけでは絶対わからない、その人の体温を感じる距離だ。


一方で、「あなたは、こうしたことするしかないくらい暇なんですね」と、面と向かって言われることもある。「あなたに私の何がわかる」と、心でつぶやきながら「なぜ、この人はこの言葉を、今の私にぶつけてくるのか?」を、考える。考えても、あまり意味がなく、そう思う人なんだと受け入れるしかない。


しかし、そんなにできた人間ではない私の心の中にもやもやとした感情は残る。こうしたものをストレスと、いうのかなとぼんやり考えながら、全く異質な「お菓子を作り出す」エネルギーにつながっていく感覚を感じた。


役職を受けたことでの時間がかなりハードになった。さらに、限られた仕事時間で、悩んでいる時間や、こうしたモヤモヤとした感性的なものは、どうにもならないと諦めた。そうした心の整理整頓が、お菓子作りのモチベーションを高めることにつながった。


閃いたイメージをスケッチする。色をつけてみる。味わいをイメージする。レシピに落としていく。集中力が高まる。もやもやとした苛立ちも、スタッフの温かい笑顔も、何もかもがエネルギーへと昇華していく感じだ。今までにない感覚。ストレスをエネルギーに転換する。ごみから出るメタンガスで電気を作るような話だ。ストレスを超えた笑顔で作るお菓子の味はまた

熱い!滋賀県洋菓子協会若手勉強会

大津市にある滋賀短大製菓実習教室にて、滋賀県洋菓子協会の若手勉強会を開催した。協会役員として、あまり役に立たないお手伝い。

講師はクラブハリエの妹尾シェフ。世界一になった熱い人で、お菓子の作り方以前に、礼儀をわきまえろ、ものの見方考え方からの日々の習慣、日々の仕事を正せというど真ん中の話だ。


勉強会の内容は「わかってるつもりで、あまりわかっていないことをわかる」と、いうことで、バターケーキの製法、シュガーバッター法やオールインミックス法などいくつかのの製法で実際に作り味を比較する。サブレにしてもバターの扱い方で変わることを検証。




午後からは、森永乳業の藤川さんから、生クリームなどの乳製品について、理論を交えた検証。わかっていそうでわかっていないことが多く、メカラウロコの話だ。


洋菓子協会は、日本洋菓子協会連合会の発行するガトー誌、PCG誌などの販売収益と会費収入で成り立っている。ケーキ屋さんは個人経営のお店が多く、なかなか人材教育、中でも技術教育への時間がない。見て覚えろの世界だ。協会として、そんな個人経営者や若手技術者の勉強の場を提供して業界全体でレベルアップを図りたいと考えています。


しかし、個人経営者の多くが、協会活動に協力的ではないと感じている。言い換えれば、協会活動が魅力的ではないし、何をやっているのかもわからないのだと思う。


しかし、今回の若手勉強会で希望が見えた。滋賀県に住んでいなくても、滋賀県洋菓子協会からガトー誌、PCG誌を買っていただければ、こうした勉強会に参加いただける。オーナーが協会に入っていなくても良い。オーナーが協会への事業協力費を払っている会社の会員が最も優遇されるのは当然ですが、その条件にとらわれず、勉強したいという若い技術者に門戸をひろげていけたらと思った。協会の存在意義を考えると、まだまだできることはあると感じた勉強会でした。

2015年7月23日木曜日

おうみ未来塾の講師

草津市立玉川中学校にて、職業講話の講師。テーマ「パテシェの仕事」の切り口を、砂糖水、塩水、レモン水、普通の水道水の4つの水での官能評価から始めた。正確な人数は確認しなかったが、わからない生徒がいたようだ。


今の10代、20代では、10人に一人ぐらいの確率で味覚が狂っている人がいると聞く。普段濃い味のものを食している、もしくは偏った食事をしている、そんなことが原因のようです。

パテシェになって最初に直面する課題「手の使い方」いわゆる器用かどうかの話。次に、お菓子を作る上での、論理的な話を理解する「基本的な学力」分数計算や小数点計算ができないとか、漢字が読めないとかいうのは、その人の努力を待つしかない話だ。さらに「基本的な味覚」絶対音感と同じ意味の絶対味覚が必要になる。

手が器用だから、お菓子が好きだから、そんな理由でパテシェを目指す人が多いし、実際、専門学校を卒業すれば就職はそんなに難しい話ではない。しかし、この味覚は鍛えないといけないし、常に体調を整えることが必要だ。疲れていれば、濃い味わいを求めるからだ。小さい時からの食習慣が影響する。

パテシェとして楽しく成長するための絶対条件は「美味しいものを美味しい」と素直に感じる力があることだ。自分の好き嫌いの話ではない、その素材の旨みを感じ取る力だ。それは、高級食材で作られた美味しい料理を食べることではない、出汁という基本につながる素材の味を感じることで身につく。パテシェには関係なさそうな話だが、わかる人にはわかるし、わからない人にはわからない話だ。

そんな、憂いを持って話したが、小学生には受けたのだが、中学生には、テーマが少し暗かったなと反省。次は、もうちょっと工夫をしようと思う。

2015年7月13日月曜日

京都のビストロ スポンタネに行ってきた


おしいく元気の出る料理だった。素材の旨み、力を、引き出してここにまとめるのかと、食べながらワクワクウキウキして食べた。


以前内の営業担当だった人からのお誘い。今は、うちの担当を外れたが、付き合いは相変わらず残り、業者さんというよりなかの良い友達みたいなもの。そんな人から、頼みます。と、言われて、義理人情で生きてる前田として、その思いに応えたというところです。


その日は、シャンソン歌手京都出身のワサブローさんのミニコンサート、ギターの溝渕仁啓の伴奏で、10曲ほどを、距離1mぐらいのかぶりつきでマイクなしの声で聞いた。シャンソンも初めてだし、こうしたコンサートも初めての経験。うまく説明はできないが、かけがえのないしわせな時間だった。


さらに、その日初お披露目という襖絵をも見せてくれた。衝撃、背筋から脳天に突き抜けていく衝撃は、感動を越え脳髄に突き刺さった。そして、その絵を描いたキーヤン(木村英輝)さんがそこにいた。ちょっと怖そうな人だった。


谷岡オーナーシェフといろんな話をしながら、ふと野菜一つ一つに力あるのはなんで?と、素朴に質問したら、岩塩を持ってきて、これで茹でているだけ。素材が良ければ、それが一番美味しい。ずっと、素材を活かす。それで、やってきたと、優しく笑う。

様々な時間の流れのなかのタマタマの時間。そんな時間を楽しむことができて、多くの刺激を受けて、むくむくとものづくりへの思いが湧き上がる。私は、やはりお菓子にしてその思いを形にするしかできないとつくづく思う。そして、感謝です。

2015年6月7日日曜日

会社訪問

会社訪問が増えてきた。以前は、訪問に来られたら厨房など店内を案内して、今のパレットについて説明をして質問を受けてという形で対応していた。結局、ワンサイドにこちら側が言いたいことを言って終わるケースが多く、よかったのかな?と、考えてしまうことがよくある。



そこで、今年からは、何が聞きたいですか?と、こちらから質問を投げかけ、質問があれば、それに答える形で、会社説明をするように変えた。話が発展すれば色々広がって行くし、何も聞きたいことがなければ型通りの説明で終わる。厨房を見たいという話にもならない。


パレットに関心があれば質問の一つや二つはあると思う。パレットにそれほどの関心もなく、とりあえず条件がよく働けるところを探しているならば、質問はあまりないのかなと思う。彼女が欲しいと思ってるけど、誰でも良いようなものかと思う。「君が好きだ」と、言ってくれたらときめくものだ。


将来はどうなりたいの?と、いうような質問を投げかけると、決まって「将来は、自分のお店を持ちたい」という答えが返ってくる。そう答えろと言われているのかな?と、思う。そんな先の見えない目標で頑張れるの?と、思う。それは「とりあえず頑張る」って言っているようなものだ。とりあえずはわかるが「先のことはわからないので、まずは三年は頑張ると親と約束して、その約束を果たしたい」そんなことをいう人の方が、信頼できるな。

2015年6月1日月曜日

社内技術検定での笑顔

今年4月入社の新人達の社内技術検定を行った。入社から3ヶ月は、毎週月曜早朝の朝食ミーティング。バースデーケーキのプレート1分以内検定から始まる基本技術検定と、息を抜く間を与えないハードスケジュールです。

それでも毎年、落伍者は一人も出ない。みんなやりきることが当たり前。できて当たり前と思って取り組むからだ。もちろんそれはプレッシャーになる。しかし、何が当たり前で、何が普通かはその人が決める。入社したてのころは、誰でもが全力で素直だ。鉄は熱いうちに打てとの言葉の通り、いまでしょ!



なんのために働くのか?そんな疑問もシンプルに「幸せになるため」自分だけの幸せは成り立たないから、自分を取り巻く周りの人を含めたみんなの役に立つ「仕事」を通じて、幸せになる。そのために、努力を惜しんではいけないという話をしている。

自分の幸せは自分で作る。幸せと感じる時間をたくさん作る。しんどいと思ったらすぐに笑顔になれ。それがしんどさを乗り越える合理的でシンプルな方法と話すと、新人達はキョトンとするが、実際の厨房の中で、そんな経験をすると納得するようだ。入社して2ヶ月。それぞれがちょっとたくましくなってきた。そんな新人にありがとうです。
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2015年2月7日土曜日

きれい好きと潔癖性の境目はどこにあるのか?

vvテレビで最近売れてきたアイドルが「私きれい好きなんです」と、笑顔で話す。人と同じ鍋を食べられないから「一人鍋になるんです」それは、潔癖性じゃないかなと思う。自分の価値観が、当たり前と言わんばかりの話し方にチャンネルを変える。

ずいぶん前になるが、亡くなったいかりや長介さんが、アフリカの人と仲良くなろうと思うと、アフリカの人と同じ食べ方で同じものを食べる。そうすると、少しずつ心を開いてくれる。だから、手で食べると、番組の中で話していた。郷に入れば郷に従え。納得した。

テレビのアイドルは、製菓コースで勉強する学生が「私、ブルベリーが食べられない」みたいなことをいうのと似ていると思う。ブルーベリーを食べられない自分は悪くない、ブルベリーが悪いと言わんばかりの言い方に、まるで被害者のようだ。さらに、どうして自分の限界を偉そうに話すのだろう?挙句に「きれい好き」って、すり替えてる。自分の立ち位置を上に置くのは、自己防衛の本能が働いているんだろうと思う。守るものが違っている。

コミュニケーション能力が落ちているという事実の原因は、自己防衛本能が強く働くことも一因していると思う。さらに、被害者のようになる=自分を正当化する「ものの見方考え方の習慣化」若い人だけではない話だ。経験則で判断してしまう、自分自身も省みる必要があると思った。