仕事の上では、100年以上食されている素材で、素材の味わいがわかる材料を使うことを創業以来貫いている。偉そうに言うことでもないと思っているが、貫けていることがよかったと思う。理由はシンプルだ。プロとして、自分の家族にも安心して食べてもらえるお菓子を作る。
「医学は日々進歩していて、昨日まで「いい」と言われていたことが「悪い」に変わることはしょっちゅうある。そういう時に、最も知的な態度は、人体メカニズムを前提に「冷静で正しい情報を得ること」と、書かれてあります。
お菓子作りにおいても、作りたいお菓子に合わせて材料を選び製法を考えるのだが、たまに、このレシピは、この製法で作る。みたいなことを言う人がいる。頭が固いというより冷静で知的な態度ではない。こうであらねばならないお菓子作りは極論すれば、可能性を自ら閉じてしまう。製法の選択においては、私は正解はないくらいの気持ちで素材と向き合うほうが良いと思っている。製法はいくつかあって、これが最善かなという選択の結果という考え方だ。
素材の選択でも同じだ。例えば、本の中に書かれてあるオリーブオイルが良いといっても、船便で運ばれてくるときの状況や、輸入業者さんの管理方法、買われた一般消費者の保存方法でも、変わってくるものだと思う。
そう考えると体に良い選択は、難しく考えるとピリピリしたものになっていく。ほんわりと、日々の食事を楽しむことがむしろ大事と思う。体に悪く、その結果が出るのに50年かかるようならば、まっいいか程度の話だと思う。巻末に「医学的に正しい食の教養を身に付けて、すぐに食事を変えてください」って書いてあるが、文中の説明「医学は日々進歩している」とは少し矛盾する。今はこれが最善ということと思う。
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