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2009年11月30日月曜日

ラフランスのタルトに家族が集う

知り合いから「パレットのラ・フランスのタルトを一緒に食べるために、あちこちに住んでいる家族がこの日のために集まるんよ」と、言われた。「この間も、紅玉林檎のアップrパイを、取り合って食べたよ」と、うれしい話。
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この季節だけの味わいです。今年は、いつもの年に比べて、大ぶりでやや淡白な感じがします。しかし、タルトにすると、やはり力があるおいしさです。

今年は、ラフランスのパートドフリュィ(果肉の味わいを濃縮した砂糖菓子)を作り、それをタルトの中に入れて作ってみようと思う。フレッシュ感はなくなるが濃厚なラフランスの味わいが、生かされるとイメージしている。とりあえず、自分が食べたいので、作ってみよう。

このタルトを囲んで家族の笑顔が集うと思うと、それだけで「菓子屋冥利?」に尽きるというものだ。パレットのお客様は、本物のうまみをしっかり感じていただける方が多いと勝手に思い込んでいる。そういう意味で、いつも真剣勝負、期待以上のお菓子を作り続けたい。

2009年11月29日日曜日

檸檬を頂く

お菓子教室に来ている方から、自宅でできたレモンをいただいた。大振りなレモン。国産だから漢字で檸檬という方があっているんだろうな。
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輸入されているものと違って、残留農薬の心配もない。安全安心です。昔のお菓子作りだったら、レモンの皮をおろしてといえたが、今はそんなことは出来なくなった。減農薬で作られた現地で加工された果汁、果皮を輸入して使う方が安全で安心だ。

皮が厚いので、果汁を足して皮ごとコンフィチュールにしようかと思う。

紅葉の秋篠寺に行ってきました

 奈良にいるお茶の師匠にお稽古をしていただいた後に、秋篠寺に行ってきました。
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京都にあるお寺と違って、奈良にあるお寺は、わびさびが漂う癒しの空間です。
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国宝の本堂、端正な美しさがあります。堂内には、芸能の神様「伎芸天」の像があります。本尊は、薬師如来像だそうです。こちらも、時代が違うのか、たくましい顔つきでした。どれもが古い仏像なのですが、まじかに見ることができます。1000年以上の月日を経てもなお穏やかなその表情に、気持ちが落ち着きます。
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暗いお堂から出て、大元堂を見ると晩秋の夕暮れがきれいです。庭には、かなり大きなサザンカ、その近くに、生まれて始めてみるくちなしの花が咲いていました。
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くちなしの花の名は、渡哲也さんの歌で知ってはいたが・・・
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お茶の稽古の後の清々しい気持ちに、ちょっとおそめの紅葉が、日々のあわただしい生活に疲れた気持ちを柔らかに包んでくれているようです。月に一度のリセットタイムです。これがあるから動的平衡が保たれているのだと思う。感謝。

2009年11月23日月曜日

キットココでイベント

大津市浜大津にある明日都(アスト)にある、キットココという大津ガスサービスセンターのショールームで、スィーツ講習会の講師。

いつものお菓子教室とは全然雰囲気が違っていて、シナリオが用意されていた。
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MCは、私が勤めますと井田さんから、ご丁寧なごあいさつをいただくと、緊張感は一気に高まる。
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でも、始まるとなめらかな進行に、前田はついていくだけでよかった。周りのスタッフの方もこうしたスィーツ作りにはあまりなれていないにもかかわらず、細やかな気配りをいただいてシナリオ通りに終了できました。パチパチパチ
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イベントの準備をしっかりやっているんだろうなと感じる。好奇心だけで引き受けた講師でしたが、いろいろと学ぶことの多い楽しい一日でした。お疲れ様でした。

2009年11月17日火曜日

守山高校からパテシェの研究にくる

守山高校からパテシェの研究ということで、聞き取り調査に来られた。

聞けば、将来パテシェになりたいとのこと。そうした自分の希望も含めて、研究テーマに選んだそうです。いくつかの準備してきた質問事項に答えさせていただいた。

その中で質問にはなかったが、製菓の専門学校を出て就職しても3年後には、80%の人が離職している現状を話した。それは、プロの厳しさを知ってほしいということに加えて、結局、お菓子大好きという人が残るんだということを伝えたかった。

やめていく人の理由はさまざまあると思う。でも、残った20%の人たちは「お菓子が好きで、お菓子作りに夢中になっていて、気がついたら3年たちました」っていう人達だということ。「20%に残らねば…」なんてネガティブなものではない。明るく元気に一生懸命働き「めっちゃ楽しい!」っていう人たちが、神様に選ばれるのだと。

そんな話を聞いて、ニッコリ笑った顔が印象的でした。頑張れ未来のパテシェール。

バナナクリームタルト

大学の授業で、好きなお菓子「バナナのクリームタルト」を、作りました。全く自分の好みなのだが、学生にこうした素朴な味わいを知ってほしかったと、いうのがこのメニューを選んだ理由です。

パートサブレを仕込みして、バナナのカラメリゼしたものを並べ、サワークリームと卵で作るアパレイユを流し込む。40分ほどで焼けてくる素朴なお菓子です。しかし、その味わいは,ほのぼのと口と心にそのおいしさが広がっていきます。力強いお菓子です。
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ショップで販売するには地味で、あまり売れないものと思いこんでいるのだが、学生たちのおいしそうに試食する顔を見ていると「ひょっとして…」なんて思ったりする。また、食べたくなったら店にも出してみようと思う。

2009年11月15日日曜日

おうみの名工

おうみの名工表彰をいただいた。なんだか、とても立派な表彰状だ。
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取材で来られた、びわ湖放送の方にこの道何年ですか?と、聞かれてあわてた。「えっ?33年です・・・?」後で計算したら34年目だった。まったいした問題やないから、ええかと思いながら、放送で流れたのかな?失礼しました。

びわ湖放送の取材も二日間にわたって結構長い時間行われた。しかし放送時間は2分ほどと言っていた。放送時間も確認して、その日、その時間にテレビを見ていたのだが・・・・見るのを忘れる。びわ湖放送の方にお願いしてDVDをいただくしかない。とほほ

頂くまではそれほど感想もなかったが、取材やあちこちでおめでとうと言われると、うれしいものだ。社員にもいただいたよって言う話は照れ臭くて言っていなかったら、怒られた。でも、もらったよって見せびらかすのもどうなのかなって思う自分は、あまのじゃくなのだろうか?

いずれにせよ、多くの方のおかげでいただいたと思う。その感謝の気持ちで、お菓子作りを通じて、世のため人のため・・・お返ししていきたいと思います。
まるで黄門さんやな。(一人ぼけ突っ込み)

2009年11月8日日曜日

親まなび委員会の会社訪問

京都市下京区の親まなび委員会の面々から、パレットのお菓子作りや社員教育の話をしてほしいと依頼があって、お役にたつならと引き受けた。
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厨房もみたいというので、準備をしていただいたら、文句のつけようのない準備でした
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そのあと、コーヒーを飲みながら、パレットの材料選びの基準である100年素材の考え方と、愛する家族に自信を持って食べさせることのできる安全安心のお菓子づくりの考え方を話した。
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さらに、お菓子作りを目指す製菓専門学校生に対する面接で求めることを話した。製菓専門学校を出てくるので、お菓子作りにかける気持ちはみな凄いのだが、プロになろうという動機が、小さい時のお母さんが作ってくれたお菓子に感動して…というのでは全然だめだということ。

人として成長していく中で、いろんな選択肢があって当たり前。その中から、選んで覚悟してプロを目指すという「ストーリー」を、話して欲しい、そして同じ道を歩んできたパレットのパテシェ、パテシェールが共感するようなストーリーを素直な気持ちで話して欲しい。その上に、これから目指すものも見えてくる。

もし、見えていなかったとしても、一生懸命働き学んで行くことで、きっと見えてくる。見えてこないのであれば、一生懸命さがないんだと思う。自分で好きで選んだ道に、懸命(いのちがけ)になっていないのだと思う。
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とても元気な皆さんの反応を見ていると、その元気さに影響を受け、その一生懸命さが伝わってくる。こうした言葉を超えて伝わることに、ありがたいという感謝の気持ちと、少しは役に立てたのかという安どの気持ちでした。とても、貴重な時間に感謝です。

2009年11月3日火曜日

社内技術検定終了

今期の社内技術検定を終了した。

来春入社を希望する会社訪問の学生たちに、会社説明をする時に、最も反応の良い取り組みです。経営理念とか、難しい話を言ってもほとんど頭に入っていないと思う。この技術習得の話と100年素材の話が印象に残るようだ。
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そんな中で、入社のときに「普通に楽しくお菓子作りができればいい」とにこやかに言っていた山本さん。あるとき、お菓子教室で教えたらどうや・・と、話したら、キッと睨みながら「私は、お菓子を作っていたいんです」と、言い切った。
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そんな彼女に、一級技能士のチャレンジをすすめた。「好きで選んだこの仕事、この仕事で頑張ってきた自分のために受けてみぃ…」この時は、素直に「はい」といった。
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ここまで来るには、本当に大変だったと思う。ご苦労様です。お菓子作りは頭で覚えるのではなく、身につくもの、手が覚えるものと思うのです。時間がかかるのです。

ドイツの老舗菓子店のルール

東京 伊勢丹新宿店にオープンしたドイツの老舗菓子店「ホレンディッシュ・カカオシュトーべ」
その店のバームクーヘンには、
バター以外の油脂は使わない
という、国立ドイツ菓子協会の手引書にあるバウムクーヘンの定義に則った製法で作られているそうです。

パレットも、「バター以外の油脂は使わない」と、決めている。
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どこかの店で、バター100%使用とうたったクッキーを見て、パレットもずっとすなんだけど・・・その言葉がお客様の気持ちをつかむキャッチになるんだとその時気が付いた。自分たちの当たり前は、お客様に声に出して伝えないと伝わらないと反省。

バターを使うのは、100年以上食された食材を使うという自分たちで決めた安全安心のルールと、単純においしいからです。

同じような商品が100円のものと150円のものがあれば、100円を買って50円得した気分になるが、この50円はもっと長い時間の中で、本当に50円の価値を持っているのか?ともすると、自分の体の中で、自分の細胞の中にない異分子と果てしない戦いを続けているのかもしれない。それは50円以上のコストを払っているのかもしれない。その答えは、まったくはわからない。
それでも、バターだけを使ったお菓子を作り続けていきたいと思う。

2009年11月2日月曜日

滋賀県中小企業家同友会で、経営体験報告

先日、盛和塾で一緒に勉強されている経営者の方から、中小企業家同友会で経営体験報告の依頼を受けた。躊躇する話でしたが、人の役に立つということであれば、「はい、喜んで」と、言う気持ちで引き受けた。
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地域NO1Shop?そのブランド戦略と経営のあり方!と、言う堅苦しいテーマですが、本物の材料を使って作る本物の味わいをわかる人に食べていただきたい。という話です。

基本は、「安全安心100年素材」という考え方です。親子三代にわたって食されてきた食材を使う。100年前から食された食材のみを使う。例えば、バターは、100年以上食されてきたから使う。しかしマーガリンやショートニングは、トランス脂肪酸の話など、一般消費者にはまだまだ分からない、何より一般家庭で、普通に食されてきてまだ100年たっていない。だから、使わない。植物性のケーキホイップにしても同様です。
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パレットで、マカロンを作らないのは、着色料をたくさん必要とするからです。パレットが自らのルールを変えて作る必要がないと思うからです。それよりも、派手ではないが、粉と塩と水をねってパイを作る。オレンジの皮をむいて、真空加圧殺菌して、本来の香り味わいを生かす。そんな当たり前のことの方が大切だと思うからです。
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そうしたお菓子作りを支持していただける地域密着ケーキ屋さんを目指す話をしました。その考えを共有する菓子職人が育つ環境づくりを、懸命に取り組んでいますという話です。

リンゴのタルト

この間の大学の授業で、リンゴのタルトを作りました。授業プログラムを話し合う学科会議の席で「学生たちには大変だから、既製品のリンゴプレザーブと折り込んだ冷凍パイを使って時間内で実習を終わるようにしよう」という話もありました。
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改めて「本物の材料を使い、基本技術の習得を目指す」と、いう基本方針から、何を、この短大の製菓コースで教える必要があるのか?何を学んでほしいと思うか?と、考えると、時間がかかろうが粉からねってパイを折り込む。リンゴの皮をむいて、リンゴのコンポートを作る。その長い作業の中で、学生たちには、粉と塩と水でできるパイの香ばしい旨味。砂糖とリンゴの持つ力強い味わいと香りを経験してほしいと思う。それを知るだけで生涯にわたって語るべき学習の成果はあると思っている。

これを既製の冷凍パイとリンゴプレザーブで作ったのでは、学習の意味合いは、1/100以下になるのではと思う。お菓子の作り方なんて、今やどこでも手に入るし、器用な方なら、適当でも作ることはできると思う。しかし、学ぶべきは「作り方」という方法論ではないと思っている。学ぶべきは、本物のお菓子だけが持つ豊かな味わいを知ることと、思っている。リンゴを見て、それをイメージできることが学ぶべきことだと思う。
これはパレットで販売している紅玉林檎を使ったアップルパイです。
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本当は、タルトタタンを作りたかったのだが、さずがに時間が足らない。ちょっとアレンジして、リンゴのタルトに変更した。学生それぞれが楽しく作るタルトは、それぞれの楽しい味わいがあると思う。五感でそれを感じ取ってほしいと願います。上手に作ることより、美味しく作ることを大切にしてほしい。