パレットで使う油脂は、バター、太白ごま油などを使っている。100年以上食された食材のみを使うという考え方で、それ以外のものは使わないことにしている。話はそれるが、シリコン型で焼き上げるしあわせスフレを食べていて離型油の味を感じるので、これを太白ごま油に変えた。当然材料費は高くなるが、味わいはすこぶる心地よいものになった。
離型油は食品に使うものだから問題はない。多くのケーキ屋さんで普通に使われているものだ。それを良いとか悪いとかの判断ではなく、味わいの一部として感じ、考えると違ってくる。同じ様に私はあまり缶コーヒーが好きではない。金属の味わいを感じるからだ。これは感じる人と何も感じない人もいるとのこと。だからという話ではない、私は好まないが飲む時は普通に飲んでいる。調味料の味わいも同様。素材の味わいが遠いものは好まない。
お菓子作りに使う素材の味わいを感じる時も、あるがままを感じる様にしている。その味わいをどの様に組み立てて行くと目指す味わいになるか、何が足らないのかを考える。割と単純シンプルなお菓子作りが好きだと自分では思っている。素材に強い力があるとウキウキしてくる。
話を戻すと、アンケートに答えていただいたお客様に「ありがとうございます」をお伝えしたい。そして、感謝の気持ちを持って、真摯にお菓子を作る職人として努力を続けていこうと思った。