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2016年9月24日土曜日

滋賀県果樹試験場に行ってきた

滋賀県農業政策課の方から、これから滋賀県で作付けを行うイチジクの新品種での市場性についての意見を伺いたいとの依頼。イチジクを加工してケーキに仕上げるパティシェとしての狭い範囲なら、お話しすることは可能です。と、お答えし、自分たちの勉強も含め、堀川、坂口と3名で出席させていただいた。



バナーネ、カドタ、アーテナの3品種に、現在市場に最も多く出回っているいわゆるイチジク「桝井ドーフィン」という品種のイチジクを試食させていただいた。個人的には、カドタ、アーテナが味わい的に個性があって濃い味わいで、美味しかった。しかし、生産性が悪いので生産者が喜ばない、小さいので市場で売れるイチジクではないとのこと。バナーネは、この1週間の雨、曇り続きで糖度が落ちて水っぽくなったとのこと、確かに以前試食したときの印象とは違った。持ち味のねっとりした旨味は、感じたのでやはり「力」のあるイチジクなんだと思う。皮ごと食べられるので味わいの変化もある。


試験場の畑も見させていただいた。ポット栽培という栽培法で、効率よく生産できる工夫を重ねているとのこと、私たちの知らないところで様々な工夫研究がされている。品種は見たらわかるでしょ。と、笑顔で無茶をいう。素人に品種の違いって・・・・葉っぱ見たらわかる。確かにちょっと違う。



このイチジク水っぽいねというのは簡単だが、その背景に、台風があって、雨が大量に降って、高気圧と低気圧の間で天気が不安定。結実するギリギリの環境変化までは読めないと思う。あるがままを受け入れるしかない。しかし、水っぽいイチジクに対して、働く市場原理(売れない)は現実。


そんなことを思うと、今お取引をいただいているイチジク生産者の浅野さんが困ったときに、何ができるのだろう?と、考える。パティシェなので、美味しいイチジクを使いたい。しかしそれを作っている浅野さんがあってのこと。そう思うと、水っぽいイチジクを引き受け、少しアレンジして(単純に、水を飛ばす=乾燥、焼くなど)別メニューで作る努力が、おつきあいして行く上で大切なことと思う。



そんな覚悟を持っていなかったなと反省。イチジクを買う地産地消から、イチジクを作る方と共に生きる地産地消を大切にしたい。自己満足のお菓子作りではない、近江商人ではないが「三方よし」のお菓子作りが大事だと思いを新たにした滋賀県農業試験場でした。新たな学びと気づきに感謝です。

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