身近にある材料と道具を使ってのプロの味を作ると言うのは、結構難しい。この日はプリンを蒸し器で作る。作業は、簡単なんだけど、全部が同じようには仕上がらない。火力の問題や、鍋の密閉度、その日の気温湿度などに影響を受ける。当たり前といえば当たり前なのだが、授業を進めながら、いつもヒヤヒヤしている。
そんな難しさもものづくりの面白さなんだけど、ものを作るためには、そのための経験や知識が必要。小学生にはちっと難しい話だが、プリンを蒸し器で蒸している間に、事前に準備したブリュレをカラメリゼしたものと、醤油をかけたものとを試食してもらった。反応は様々だけど、経験するまでは想像もできなかったことが、経験することで、その経験を自分の言葉で話せるようになる。こうしたプロセスそのものがものづくり、自己表現する力になって行く。ここが大切なんだ!
おかし作りというと、作り方を学べば一人前になれるようなことを思っている人がほとんどだが、作れる技術習得はもちろん必要だがプロでやっていく上では当たり前の話で、ちょっと器用であれば誰でもできるとまで言える。しかし、それは、お菓子を作る作業ができる人です。
パティシェとして大切なのは感性なんだけど、例えば、醤油のかかったブリュレの後に食べるカラメリゼしたブリュレの美味しさにどれだけ心が動いたか?心が動いていないと、自分で作ったブリュレで人の心を動かすことはできmないのです。そこが、プロとして作り方よりも大事。だから、毎日朝昼晩と食べるご飯を一生懸命ちゃんと食べる。ぼんやり食べていると、パティシェになれないんだ。
小学生たちの笑顔で「ありがとうございました」授業は終わった。いつもながら教える側が、学ぶ事が多いです。
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