今回もですが、社内コンテストで勝ち上がってくる製品と、お客様が撰ぶ製品に大きな開きがある。社内コンテストでは、パティシェ側の主観で見ていくので、がちがちのフランス菓子のような組み立て方のお菓子が好まれ評価される。お客様の評価は、ネーミングなども含め”わかりやすさ”や”食べやすさ”が評価のポイントになってくる。
これは、わかっているつもりで分かっていないという事実を突きつけてくる。”流暢性の幻想”で、わかっているつもりになっているだけのことだ。他者を公の場で、無神経に批判しまくる人や正論を振りかざして、公的立場の人を”犬”呼ばわりするような話とつながっていく。ここまでくると、人としてどうなん?と、率直に思う。
話を戻すと、お客様の笑顔のためにと懸命に考えているつもりでも、やはりパティシェの自己満足は否定できない。できないが、それを全否定することは意味がない。こんなお菓子あったら食べたいな。が、そもそもの動機だからだ。行動はすべて”欲求の充足”成功も失敗もすべてスタートは同じだ。
今回、キャラメルマキアートという商品名で提案があった。入社3年目の技術も知識もまだまだな3年目のパティシェ―ルだ。技術習得も人一倍時間がかかっている子だ。そのうえ、自分勝手、マイペースがその子の持ち味になっている感がある。社内コンテストでもこの製品を出すか出さないかでもめたほどだ。しかし、お客様評価は高かった。
製品を作った思いを聞けばとても素直。目指すイメージがはっきりしていたから迷いなく持てるわずかな力を一点に集めた。素直な感性がお客様の心に響いたのかなと思う。試行錯誤は続きますが、こうしたイベントもお客様とスタッフでつなげていきながら、お客さまもスタッフも幸せになる店づくりを、素直な気持ちで進めていきたいなと思います。
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