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2017年3月19日日曜日

ありがとうって言われる仕事

20年来の友人から、スキー行かへんか?との誘い、おっちゃん集めていこか!と、意見が一致したが、結局みんな忙しく二人になった。しかし、往復5時間の車の中はずっと話しっぱなしだった。

この友人は、元々は酒屋の息子大学出て後を継いだ。しかし、時代の中で、コンビニに事業転換。店は、黒字だったが、意を決してディサービスの介護施設に転換して今日に至る。ようやく事業も軌道に乗って、子供達も独立して、ちょっと余裕が出てきたようだ。


「ありがとうって言ってもらえる仕事はいいな」何気にいう友人の言葉がずんとくる。コンビニの時は理不尽なことで、毎日その対応に追われていた。心も体もダメージを食らい疲れていた。今は、おじいちゃんやおばあちゃんと1日接していると、心が落ち着くし、ありがとうって言ってくれる。体は疲れるが、幸せな仕事や。

仕事と一言にいっても様々ある。彼は代表取締役だし、一家の大黒柱。目の前の介護の仕事だけではない。この時代の変化の中で、やるべきことを彼なりに考え努力してきたのだと思う。私が酒屋の跡取りだったら、彼のように頑張れたのか?分からない。

パレットを創業した頃、上品そうなご婦人に「いつも、美味しいケーキありがとう」と、言われたときに、自分の仕事の立ち位置が違っていることを深く反省した。お客様のことを考えていなかったし、自分勝手で、自己満足なお菓子作りだった。それでも、温かい言葉をいただく中で、私のお菓子作りは変わって行った。大津のお客様に育てていただいたと思っている。
彼の事業の話を聞きながら、その頃のことをふっと思い出した。おっさん二人の時間は、共に癒され、共に学ぶ時間になった。感謝です。

2017年3月11日土曜日

県立大津高校らしいスィーツ開発を考える

昨年に続き、こんな表題で始まる授業を行ってきた。大津高校家庭科の生徒80名全て女の子!当たり前か・・・今年に入って、小学校、高校と続いて3回目の依頼だ。


市場調査、商品企画、製品試作、販売促進などなどを時系列で話し、そもそもパティシェに必要な力について話をした。さらに、働くことそんな話も含めた。つまるところ一回こっきりの自分の人生を幸せなものにするために、人や環境を変えることを望むのではない。自分が変わることから始まる。始めるのは今でしょ。未来は今日始まる。そんな話を、一生懸命聞いてくれていた。

絵の具にたとえて、好き嫌いを言っているとバランスを崩す。と、いう話は印象に残ったという。つまり、黄色が嫌い、黄色を使わない絵になる。同じように、ブルーベリーが嫌いというと、ブルーベリーのお菓子というか、ブルーベリーの持っている力を引き出すことはできない。苦手がいっぱいあるパティシェより、ないパティシェの方が美味しいお菓子を作るように思わない?

香りと後味は素材の力、味わいはバランス。素材を選び、バランスを整えるのが作る人の感性の力。さらに、それをどのように表現するか?ここにパティシェの面白さがある。奏でるようなメロディーがあったり、息を止めるような感動があったり。作り手の心が動いていないと、食べる人の心を動かすことはない。

高校一年生の彼女たちに、なにがしかの気づきがあったのかはわからないが、自分自身の経験を通じて得たことを少しでも伝えていけたら、自分なりの役割を果たせたのかと思う。そして、このような機会は、私自身を活性化させる。感謝です。

2017年3月5日日曜日

おばあちゃんが喜んで食べるケーキ

FBの書き込みに「普段は、ケーキをあまり食べないおばあちゃんが、パレットのケーキは喜んで食べる」と、書き込みがあった。素直に嬉しいコメントです。

パレットをオープンした頃に、お客様によく言われたのは「ここのケーキは高いけど、子供がここのケーキしか食べない」もしくは「子供がここの誕生日ケーキにしてっていうから・・・」と、いう不本意な選択だったように思う。店が小さく聞いたことのない新しい店だったから、信頼されていなかったと思う。

以前よりは信頼はされているかと思うが、良い意味で同じライン上に今もあるということを、お客様のコメントが伝えてくれている。考えられる理由は、そんなに難しい話ではない。バター不足でも、業者さんのお力添えをいただいて100%バターで作り続ける。生クリームは値段が上がっても生クリームを使う。ケーキホイップではない。味わいの違いは、シンプルな100年素材からの材料選びから始まっている。

良い材料は人の体と心を元気にするものだ。食べた人が違いを感じるとしたら、香りとあと味だ。ここに違いがある。そして、食べているときの素材のバランス、調和だ。ここに作り手の感性、思い、技術が含まれてくる。

テレビの食レポで、口に含んですぐにコメントする芸能人は一生懸命仕事しすぎてると思う。口に含んですぐは食感「この肉柔らかくて、肉汁が溢れてくる」だから、食感が硬い肉は全部美味しくないということにはならない。

話はそれるが、こうしたグルメ番組の背景には、芸能人は美味しいものをたくさん食べている。美味しいものをたくさん食べているから、美味しいものがわかる。と、いう絶対神話のような話があると思う。他にも「うちの子寿司屋に行って高いもんしか食べよらへん。美味しいもんが分かっている」と、いうような話も同じだ。声を荒げていうほどのことではないが、関西弁なら「アホか?」と、言いたくなる。

話を戻すと「あ〜美味しい♪」笑顔と一緒に一言つぶやくようなコメントがあると、やはり嬉しく元気になる。お客様のおかげということを実感する時でもある。

2017年3月4日土曜日

すぐに辞めない新入社員を探せ

こんな新聞記事が出ていた。来年春入社予定の就職活動が始まったという記事。


パレットの新入社員定着率は、入社4年目で82%ほどで5人のうち4人は残る。同じような製造小売のケーキ屋さんと比較すると良い方だと思う。労働時間や年間105日の休みも関係すると思うが、日々楽しく仕事ができるかが決定的要因で定着しているのだと思う。

大手企業のような福利厚生、給与など条件比較になればやはり中小企業だから優位ではない。でも、中小企業だから優位に立てるところがあると思っている。それは、優しくつながる人間関係や仕事のプロセスを楽しむ仕組み、先輩がフォローする技術向上の仕組み、新人でも自分の作品提案のチャンスがあるなど、様々な取り組みに、自分の成長を感じ、可能性を広げて行く感覚があるからだと思う。

しかし、全員ではない、自立自主性を求めるので依存する考え方の人は、自分の居場所が見つけられずに退職することになる。それはそれで仕方ないのだが、その人のこれからのために、自分なりの決着をつけて欲しいと思うがなかなか伝わらない。

パレットの元社員が結婚出産して子育て一段落の人が、5人復帰してくれている。とてもありがたい。母親になってとてもタフになって、若い社員たちのフォローをしてくれている。地域密着ケーキ屋の本質的なところだと自画自賛している。人が育つ店作りを考え法人化して30年になる。当初の想い通りにいかないことばっかりだったが、少しは形になってきたのかと社員の笑顔に安堵する。やはり「辞めない」のではなく「働きたい」と思わせる会社でありたい。

2017年2月26日日曜日

雪と遊ぶ

生まれが福井なので小さい時から、空と地上の区別のつかない雪だけの景色に慣れている。五木寛之さんの内灘夫人の冒頭に描かれている景色。今でも、美術展に行っても雪景色の絵を見ると引き込まれる。雪景色が好きとかではなく、そういう世界で育ったものが持つ強烈な思いのようなものだ。


学校まで4Kの道を徒歩で通っていた。雪が降ろうとそれは変わらない。車も通れないくらい雪が降ると、雪の中の一本道をみんなが並んで歩いていく。周りは空も地上もない雪景色。ひたすら歩いて学校に通った。子供だったけど雪道はきつかった。


先日、この年齢になって初めて北海道にスノーボードに行った。福井の湿った雪とは違ってカラッとしたパウダースノー。もうそろそろスノーボードも卒業かなと思っていたが、これはとても贅沢なおっちゃんの遊びだった。小さな頃に雪山の中で遊んだ記憶が蘇る。単純にめっちゃ楽しい。


ホテルにロングステイしている年配の方。話を聞くと大阪から、この季節数ヶ月滞在して、朝一番のパウダーを数時間滑って終わるという。あとはホテルでゆっくり過ごす。奥さんも亡くなって独り身だから気楽だと笑う。こんな生き方もありなんだなと、くそまじめに雪と向き合っていた自分がおかしくなった。外国の人が圧倒的に多い北海道のスキー場で新たな気付きでした。感謝です。




2016年12月16日金曜日

山形産完熟シルバーベルが届いた

完熟ラフランスを届けて頂いている伊藤農園さんに、伊藤さんの作ったラフランスで作ったパレットのお菓子をお礼に送り、そのお礼にと、まさに海老で鯛を釣るような話で、完熟のシルバーベルが送られてきた。

大玉の晩生種洋梨です。ラフランスの畑の中から突然変異で生まれたそうです。果汁がぼとぼと落ちるみずみずしいラフランスとは違って、身がしまっていて、味わいも濃厚な印象です。とても美味しいこの季節の贅沢な味わいです。

自然の作る美味しさを味わいながら、ありがたいなと思う。一生懸命作ってくれる人がいるからこの味わいをいただける。食べログの味わい評価とは無縁の世界。

味わいは、そもそも個人の主観だから、人がどう言おうがどうでも良いことなんだけど、この予算でちょっとでも美味しいものを食べたいという欲求に突き動かされているから、食べログを見てしまう。

食べることに感謝の気持ちのない文章を読むと嫌な気持ちになる。評論家のようなその自信はなんなんだろう?と、とても不思議。昨日食べた晩御飯もちゃんと思い出せない人が、一年前の味わいを正確に表現できるのか?っていう話も同じ。そこに批判や文句ははいらないな。

話を戻すと、美味しいものを食べると元気になる。ちゃんと美味しいお菓子を作るパテシェでありたい。そういう意味で普通に小さな幸せ、小さな贅沢を感じるお菓子を作っていたいと思う。


2016年12月15日木曜日

ケンコーマヨネーズの展示会に行ってきた

カフェメニュー開発でヒントになるかも?と、言う大義名分で、ケンコーマヨネーズの展示会に行ってきた。普段よく行くお菓子の材料や機械の展示会と違ってとても新鮮だった。

取引額もあまりないので、ぞんざいに扱われるのかと思っていたが、そうでもなく、どのブースでもその商品を開発した担当者が一生懸命説明と試食を進めてくれるので、全品完食。最後は、少々ムカつくくらい食べた。

一言二言コメントすると、担当者がその評価に食いついてくるので、これがまた面白い。商品開発をする上で、ピンとくるものがあるのかと思う。お互いに開発担当の人間でないとわからないことだと思う。

うまく言えないが、製品開発はずっと考えていて、一度に考えがまとまるわけではない。様々な刺激や情報、時々の空気感も加えながら形が出来て行く。説明のつかない直観を信じて突き進む感じだ。そして、そのベースには食べることが大好きと言う強力なエネルギーが湧いている。共感を、話していてふっと感じる。そして、きっとこの人の開発した製品は美味しいだろうと言う期待感に変わっていく。

どのブースもそんな製品開発者のエネルギーで満ち溢れていて、とても楽しかった。いろんな食品の製品開発の人たちとの異業種交流の場があれば、製品開発のヒントが山のように出てくるのではと思う。ケンコーマヨネーズ様に感謝の1日でした。