滋賀県が開発したイチゴの新品種「みおしずく」を使ったスィーツ開発で、生まれた「近江に生まれた苺の物語(仮題)イチゴのスフレ」のプレス発表に行ってきました。
パッケージデザインが決まっていないので歯切れのわるいプレス発表になりました。企画段階ですが、左の写真のデザインで進んでいます。みおしずくは、近江の風土に合った「かおり野」を母に、完熟時の甘味が強い「章姫」を父に、近江で生まれた新品種です。
みおしずくの特徴は白い花のような「香り」と腰のあるしなやかな「酸味」です。この特徴を生かし、この苺のブランドイメージを高めるスィーツを作るミッションです。
パレットが大事にしている「安全安心100年素材」という素材選びをベースに、みおしずくの特徴を引き出すために、二つの方法でイチゴの加工をしました。一つは「真空凍結乾燥」で作るドライフレーズ。もう一つは「真空減圧加熱」による低温沸騰で香りを損なわない。さらに「真空減圧冷却」によって強制的に気化熱を奪い香りを失わない苺ソース。その二つを苺スフレに入れて、香りと酸味を印象強く仕上げました。
だからと言って、スフレから強い苺の香りがするわけではない。焼成で加熱すると香りは弱くなります。口に含むと甘みと酸味が織りなす味わいのハーモニーが長く残ります。心地よい余韻は、甘みと酸味によって生まれる。口の中でゆっくり咀嚼して吞み込むその時に、口中から鼻腔に抜けていくみおしずくの「瞬間の香り」二つの加工方法によって生まれる瞬間です。ちなみに、この香りは「わかる人」と「わからない人」がいます。
この香りの感じ方を、言語化して説明してから、咀嚼するとほとんどの人が分かります。説明がないと、わかる人とわからない人に分かれます。そんなことも楽しみながら,近江に生まれた苺物語のエンディングをそれぞれの方の中で楽しんでいただけたらと願います。パレットのお菓子作りは「素材の持ち味を生かす」見た目は普通でも、食べ終わると「また食べたい」と思っていただけるお菓子作りにポイントを当てて味を作っています。今回の苺スフレも同じような考えで、素材の旨味を生かすことに徹して、食べ終わると「また食べたい」と思っていただける仕上がりと思っています。
時代が激しく変化していっても、こうして味わう「自分の好きな味」は、ゆっくりと沁み込むように味わいたいと思うのです。誰がどこで作ろうが、味わいには意味はない。この味に心を癒され、また食べたいと思える。「心に残るお菓子作り」を大切にしたいと改めて思うプレス発表でした。
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