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2024年1月28日日曜日

パティシェになりたい人たちの三つの困難

滋賀短期大学生活学科の中にある製菓マイスターコースの非常勤講師として、学生たちを見ていて思った事です。今いる学生たちは、コロナの状況で・・・と、枕詞のように説明されるコロナZ世代の人たちです。

Z世代は、物心がつくころにはモバイル端末に触れ、SNSを通じて交流することが当たり前。また、社会貢献や環境、多様性といった教育もしっかり受けています。他者は他者、自分は自分として、「自分らしさ」を考え続ける世代。さらに、生まれたときから低成長時代・超高齢化社会であり、将来の重荷を悲観的に意識している世代。価値観は保守的、人との和や既存の社会秩序を重んじる傾向があります。波風を立てずにうまくやっていこうとする安定志向が見られます。




チャットGPTの解説は理解できる。とても優しい子達です。一方で明らかに自然の中で生きていく動物の本能が麻痺している。つまり「アニマル的」ではなくなっています。これが、お菓子作りの仕事で生きていくために重要な「技能の習得」を自分都合を優先して勝手に困難にしている。

技能習得に時間がかかる人の「困難」を生み出す三つの習慣
①感情フィルターで受け止める習慣 苦手、好き嫌い、面倒、難しい、怖いと言うような自分が作り出す感情によって、自分が反応し保守的な「自分を守る行動」を選択する。
②損得勘定を中心に選択する習慣 選択の中心は、「自分にとって損か得か?」になる。
③自己中心の思い込み(小さい認知領域)で物事を捉える習慣 育った環境や過去の自分の失敗経験を引き合いに「できない理由」にする。自己保存本能が強く働き、自分を傷付けたくない。つまり失敗しないための最善策を考えている。成功と失敗は紙一重だから、一番ダメなのは「何も行動しない」ことだが、こう言う人の選択は、狭い認知領域の中での判断なので「できない理由」を盾にして「何もしない」ことのようです。

実話ですが、製菓コースを選択して入ってくる学生の中に「高校生まで母に包丁を使ってはいけないと言われて、使ったことがないです。」と、言う学生がいました。目の前の小さなリスクを回避することで、この人の持って生まれた大きな可能性を自ら失っている。尊敬する「稲盛和夫」は「小善大悪に似たり」と、フィロソフィーの中で一括しています。このルールを作った母親もだが、それを受け身で素直に守るこの人にも違和感を感じます。

お菓子づくりはアニマル的に没頭することで光が見える。言葉として定義すると「自分が作るお菓子で、他人を笑顔にする」ことだ。



自分を守ることに全力を尽くす子たち。言い方を変えると、自分自身と全力で戦い力尽きる子たちです。こう言う人たちでも変わるきっかけは同じ、誰にでもある普通のことだと思う。自己対話(質と量)と身近な家族との対話(質と量)を意識して変えることです。そうした日々の土台には、共有できる価値観(フィロソフィー)が必要です。それは、損得の価値観を突き抜ける「人として正しい」「自分との約束は守る」「自分がされたら嬉しいことを他人にもする」同じ意味で、「自分がされたら嫌なことを他人にはしない」もっとわかりやすく言えば「落ちているゴミを拾う」です。わかりやすい価値観を貫く一貫性に、その人の生き様が見えるのです。そこに「信頼」が生まれ、関係性が育まれて、関係性の中で「人」が成長していく。

そんなに難しい話ではないと思っている自分に「どうして難しくないと思うの?」と問いかける今日この頃です。


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