ふるさと納税で「インカのめざめ」というじゃがいもを買った。味は、栗やさつまいもの甘みを加えたじゃがいもという感じです。最後に残る甘味と旨み、コクが「インカのめざめ」らしい味だと思います
。
それで、ポテトサラダを作った。甘みがあるので、塩胡椒、マヨネーズに、その場にあったレモン果汁をかけてみた。爽やかだがレモンの明るい日差したっぷりの香りがじゃがいもの根っこのような、土の中を感じる陰湿な匂いと並んで二つの主張を感じる。あまり仲良くなれそうに無いので方向転換。熟成したワインビネガーに変えてみたら、スッと馴染んだ。育った環境の違いがこの少しの違和感を作るのだろう。
他にもおでんや、肉じゃがなども作ってみた。どれも美味しいが、インカのめざめの美味しさをスッと感じたのは、じゃがバターにいか塩辛を重ねて食べた時だった。この芋だからこの塩味をしっかり受けて負けていない。たまたまのペアリングでアルザスのリースリングともよくあっていた。家で自分の好きに作る料理に、家飲みワインでのペアリングならではの自画自賛。文句を言うとすれば奥さんだけだ。「あわへんかった?なんかごめん」で済ませてしまう。
ひたすら自宅で料理を作り、セラーにあるワインとのペアリングが、とても気楽だ。そして、気分転換させてくれる「楽しみ」だ。お菓子作りのプロとしてのお菓子作りは、コンマ何グラムまできちんとしないと、仕上がりが違ってくる。目に見えない「こんな感じ」を求めて、突き詰めていく。それはそれで楽しんだけど、感じる「圧」は、家での料理とは比較できないものだ。緊張と弛緩、抽象と具体などの対極を行ったり来たりしているのが性に合っているのかと思います。それが、ケーキ屋さんの経営者としての異質を作っているのかと、この頃思うようになってきました。
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