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2014年9月14日日曜日

山形から、洋梨が届く


毎年この時期、山形の伊藤農園さんから完熟した洋梨が届く。今回届いたのは、バートレットという品種で、白ワインでコンポートして「洋梨の王様」という、ちょっと贅沢なショートケーキに仕上げます。




スタッフから「試作の味わいワイン強くないですか・・・・?」と、不安げな顔。使ったワインは、辛口のシャルドネ種白ワイン。このくらいがシャキッとして好きやけど、子供にはやはり強いかな?と、迷う。短大での授業でも「酔っ払った」と、顔を真っ赤にして言う学生がいる。短大は作ってすぐ試食だから、店とは違って、アルコールはまだ揮発していない。付いたあだ名が「アル中先生」


微妙な味わいの調整をレシピに落として行く。糖度を4度あげて、ワインの使用量を40%減らした。洋梨の完熟度合いによって変わって行くコンポート作業だ。


フレッシュの洋梨と缶詰の差をわかる人はどのくらいいるのだろうといつも疑問に思う。以前も、東京のケーキ屋さんで、この季節限定の洋梨のタルトに長蛇の列。オープンキッチンに見える洋梨の缶詰。「年中いけるやん、なんで季節限定なん?」そして思う、コンポートした洋梨とコンポートした缶詰の洋梨の違いがわかる人はどれだけいるのだろう?違いは香りと酸味、繊維質の食感だ。


難しい話は厨房の中だけの話。届いた洋梨は、伊藤農園さんに、完熟に調整いただいている。毎年メールで今年の生育状況などを聴くと、「命」を頂いていると思う。食は命を頂く、人は大きな生態系の一部で生かされていることを、忘れてお菓子作りをしてはいけないと思う。その年その年の洋梨を、最大限に美味しいケーキに仕上げたい。今年の「洋梨の王様」を、是非とも、味わっていただきたいです。

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